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2009年05月11日

【ITが実現するノウハウマネジメント:第4回】「内省のマネジメント」による経営幹部育成

ノウハウは、人・モノ・金・情報に次ぐ、経営の第5のリソースである。ノウハウをマネジメントすることで、経営革新の新しい扉を開くことができる。先行企業では、ITを用いてノウハウマネジメントを支援し、革新を進めている。本連載では、ノウハウマネジメントとこれを支援するシステムの事例、背景にあるノウハウマネジメントの考え方を紹介していく。

執筆:アクト・コンサルティング 取締役 経営コンサルタント 野間 彰

「内省のマネジメント」による経営幹部育成

 ノウハウを新しい経営リソースとしてマネジメントすることで、革新を達成することができる。これから3回の予定で、「ハイパフォーマーのさらなる能力アップによる組織能力強化」について紹介する。まず今回は、経営幹部の早期育成である。

「内省のマネジメント」による経営幹部育成

 経営幹部の育成は、重要な課題である。グローバルな企業成長の中で、異なる文化・市場特性に対応する戦略を策定し、異質な人員の力を結集するという、グローバル・リーダーシップを発揮できる経営幹部は、成り行きの育成では質・量共に足りない。そこで、若いうちから可能性のある人財を選別し、高度な教育を施し、挑戦的な仕事を与え、その結果をもとにさらに候補者を絞り込んでいくという仕組みを構築する。いわゆる、選抜型の経営幹部育成制度である。

 ある製造業では、10年以上に渡って、経営幹部育成制度を運営してきた。本制度は、経営トップを責任者とし、候補者は、事業部門を越え、グローバルな挑戦的な仕事にアサインされた。本制度で、すでに何人もの経営幹部が生まれていた。この企業では、本制度のさらなる強化のために、これまでの仕組みを見直すプロジェクトをスタートさせた。

 プロジェクトでは、まず本制度によって経営幹部になった者へのインタビューを実施し、幹部人財の育成に寄与したものが、【1】挑戦的な仕事へのアサインと、【2】その仕事の成果を内省して得られた経営ノウハウであることを明らかにした。

 たとえば、研究開発担当役員は、これまでのキャリアの中で内省を重ね、「役員はミッションに対して時間を割く」というノウハウを創り上げていた。

 彼の内省を見てみよう。彼はまず、素材の製造販売事業責任者の時に、「未来のステアリングを握る人に直接話を聞き、意思決定の勇気を得る」というノウハウを生み出した。素材事業を成功させる方法の1つとして、市場変化を見逃さず、競争相手に先んじて閾値を越える設備投資を意思決定し、新たに生まれた需要に対して早期に供給力を確立し、シェアを拡大することがあげられる。この意思決定を行うために、大手顧客経営者などの未来のステアリングを握る人たちに会うことで、市場の構造変化を察知し、これに対する顧客の戦略を生の声で聞くことができた。このような生の声によって、リスクをテイクした設備投資意思決定の勇気がわくのである。

 この役員は、その後、研究開発担当となった。新しいポジションでも、意思決定は必要である。研究テーマの中期、長期、超長期のバランスを健全に保つ決定。研究開発の自由度と事業貢献のバランスをとる、組織やリソース配分の決定。重要といわれてずるずると続けてきたテーマを、毅然として止める決定。そこでこの役員は、事業責任者時代のノウハウ「未来のステアリングを握る人に直接話を聞き、意思決定の勇気を得る」を活用しようとした。しかし、事業責任者時代に担当していた素材や顧客の数に比べると、研究開発担当役員が注意を向けるべきテーマと未来のステアリングを握る者の数は、圧倒的に多い。それでもこの役員は、信念を持って精力的にステアリングを握る学者や経営者に会い、担当役員としての仕事を推進した。この経験を内省して得られたノウハウが、「役員はミッションに対して時間を割く」である。

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