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  • 2012/06/07

クラウドストレージ標準「CDMI」とは何か?SNIA会長ウェイン・アダムス氏インタビュー

クラウドの標準化動向も一覧で理解

企業がクラウド戦略を推進するうえでつきまとう課題の1つが「ベンダーロック」ではないだろうか。データの格納方法、データを取り戻す方法を考えずに、社外へデータを出してしまうと取り返しのつかないことになる可能性もある。こうした課題を解決するべく、ストレージ技術の領域で、標準化に取り組んでいるのが、SNIA(Storage Networking Industry Association)だ。同団体ではクラウドストレージ標準の「CDMI(Cloud Data Management Interface)」を提唱し、ストレージ技術の標準化を進めている。SNIA会長のウェイン・アダムス氏に単独インタビューを行い、ストレージの利用動向や標準化、クラウド/ビッグデータ戦略について話を伺った。


ストレージ投資の選択のポイント

photo
SNIA
(Storage Networking Industry Association)
会長
ウェイン・アダムス氏
──まず、SNIAという団体についてお教えください。

 SNIA(Storage Networking Industry Association)は、世界中のストレージハードウェア、ソフトウェアを手掛ける企業による非営利の業界団体です。設立は1997年で、加盟企業は400社以上に上ります。主な活動は、カンファレンス開催による業界内の技術交換や情報の共有、ベストプラクティスの研究やその公開、標準化の推進とそれに関する行政や他業界との調整などです。日本では、SNIA日本支部が積極的に活動しています。

──SNIAはストレージ活用のトレンドをどのようにとらえていますか。

 ガートナーが4月に発表した、ワールドワイドにおける前年度比のIT投資動向によれば、2011年の成長率は前年比6.8%でしたが2012年は同2.5%と伸び率の鈍化がみられました。

 にもかかわらず、IDC Japanの2012年2月の調査によれば、ストレージ製品の出荷見込みは2010年より増えており、この増加傾向は2015年まで続くと予想しています。この調査では、とくにストレージ容量の増強・最適化に対する投資額の伸びが著しいようです。

 実際、SNIAの調査でも、データの総量が500テラバイト未満だという企業は2011年時点で49%だったものが、2012年には42%まで減っています。

 これらの調査結果の意味するところは、厳しいIT市場においても、ビッグデータやクラウドコンピューティングといったテクノロジートレンドが、ストレージのリプレースや増強ニーズを押し上げているということです。

 また、SNIAでの調査では、ストレージ関連予算で優先度の高いものは何かを聞いたところ、ハードウェアの更新がトップで(34%)、それにクラウドプロジェクト(30%)、データ管理ソフト(24%)が続き、クラウド活用意向とデータ管理に課題を持っていることがわかりました。

──ストレージ投資の選択のポイントについて教えていただけますか。

 ストレージが増えることで発生する問題のうち、いちばん大きな問題は消費電力でしょう。ストレージの省エネ化は、コストダウンやエネルギー問題の両面から社会的な要請でもあり、SNIAにとっても重要課題のひとつです。ストレージのデータ転送速度やチャネルの帯域幅、冗長構成なども消費電力を押し上げる要因ですが、いちばんの要因はデータの量、とくにフルコピーの量はHDDの台数に直結するため無視できないものです。ストレージ選択を考える上では、まず消費電力を念頭に置く必要があります。

 そのためには、ストレージのRAIDといった冗長構成の最適化、重複排除やデータそのものの圧縮、バックアップ方式の見直しなども重要になります。さらにそのストレージの用途や属性の把握も重要なポイントです。

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コピーされるデータが増えるたびに電力消費も増えていく
(出典:SNIA,2012)
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多様な技術を用いることでデータ量を少なくできる
(出典:SNIA,2012)

 ランダムアクセスなのか、シーケンシャルアクセスなのか、最大TTFD(Time to First Data:任意の読み出し要求に対してデータを受信するまでの時間)の要求はどの程度か、ユーザーによってアクセスされるものなのか、などの要件によって最適なストレージを構成していきます。アクセス方法や時間は、ストレージの稼働時間に影響するからです。

画像
ストレージ分類とその特性
(出典:SNIA,2012)

これからのストレージに必要な要件

──稼働中のストレージの消費電力などはユーザー企業にとって測定しにくいものですが、それはどのように調べればいいのでしょうか。

 SNIAでは、ストレージのエネルギー効率に関して「Emeraldプログラム」というものを用意しています。Emeraldプログラムでは、計測するストレージでベンチマークを動かし、稼働中の消費電力やアイドル中の消費電力、あるいは温度や湿度といった環境データも測定し、その結果を公表しています。ベンダーにとっては客観性のある数値でエネルギー効率をアピールでき、ユーザー企業は最適なストレージ配置のために、温度上昇、稼働中・アイドル中の消費電力などの情報も加味できるようになります。

──データ量の削減も重要とのことでしたが、こちらについてSNIAとしての取り組みはあるのでしょうか。

 以下のようなデータ量の削減技術について、ベストプラクティスを公開しています。

・イネーブリング技術
 ストレージ仮想化
 ストレージ容量計画

・グリーンソフトウェア/ハードウェア
 圧縮
 スナップショット
 シンプロビジョニング
 ミラーリング以外のRAID
 重複排除
 サイズ変更可能ボリューム
 SSD
 階層ストレージ(容量重視対性能重視)

 それぞれの技術や手法について、企業が具体的に検討できる情報も掲載しています。たとえば、圧縮率やデータタイプごとの効率、シンプロビジョニングでは40~60%(最大で80%)消費電力削減が可能であること、ミラーリング以外のRAIDを使用することで削減効果があり、構成によりますがRAID10とRAID6で35%の削減効果があること、重複排除ではメール、Word、Excelなど扱うデータ次第では40~95%の削減が可能であること、サイズ変更可能ボリュームでは20~50%の削減が可能であること、SSDでは38%の発熱量の減少、90%の消費電力削減が可能であること、などがケーススタディで検証されて公開されています。

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