【大塚賢二(以下、大塚氏)】
――本日は、東京スター銀行さんのサービスの随所に見られる自由な発想の源泉ともいえるIT戦略についてお話を聞かせてもらえるということで、大変楽しみです。よろしくお願いいたします。最初に、御行の現況についてはどのようになっているのでしょうか。
【村山豊氏(以下、村山氏)】2001年の創業から11年が経過し、次の10年へ向かっている最中です。リーマンショック以降の国内外の厳しい経営環境や、東日本大震災の影響などにより、連結ベースで10年3月期、11年3月期と連続の赤字となっておりましたが、前期は当期純利益が26億円と黒字を回復しました。このことは、当行が、過去の不安要素を払拭し、次の10年に向けて成長するための準備が整ったことを示すものであると考えています。
【大塚氏】
――そうですか。次の10年に向けて新たなステージに入られたというわけですね。
【村山氏】将来に向けてさらに飛躍するための基礎を固め、持続的な成長を確保するための基本経営方針である中期経営計画「NEXT 10」を策定し、その実施に向けて行内一丸となっているところです。「NEXT 10」は、「信用コストマネジメント能力の抜本的向上」「資本効率性の徹底的追求」「持続的成長の確保」「円滑な金融仲介機能の発揮」の4つの柱より構成され、それぞれを一つひとつの施策に落とし込み、実現に向けて鋭意努力しています。
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