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  • 2012/12/17

Internet of Things(IoT)の先進事例、将来は店舗消滅?自動車激変?

NRI 城田真琴氏

インターネットにつながるモノが指数関数的に増えている。こうした動きを捉えるキーワードとしてInternet of Things(IoT)がいま、注目を集めている。PCやスマートフォンだけでなく、日常品・家電・自動車・建物・食物などのさまざまなモノを、RFIDや組み込みセンサー、無線LANなどによってインターネットに接続し、識別したり、位置を特定したり、コントロールすることが可能になりつつある。こうしたテクノロジーの変化によって、業界の垣根を越えた新しいビジネスが生まれるとともに、業界によっては劇的な変化がもたらされつつあると野村総合研究所(NRI)の城田真琴氏は指摘する。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

現実世界とインターネットがつながる、IoTが実現に向かう背景

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野村総合研究所
情報技術本部
イノベーション開発部
上級研究員
城田真琴氏
 野村総合研究所が開催した「ITロードマップセミナー AUTUMN2012」に登壇した城田真琴氏は、今後、Internet of Things(IoT)がどのように進化し、それによって何が変わるのか。さらにIoTをビジネスにするためには何が必要なのか?という点について解説した。

 まず、城田氏は、IoTの定義について言及した。IoTとは「PCやスマートフォンだけでなく、日用品・家電・自動車・建物・食物などのさまざまなモノがRFIDや組み込みセンサー、無線LANなどによりインターネットに接続し、識別したり、位置を特定したり、コントロール可能にしようとするビジョン」のことという。

参考記事:
Internet of Thingsとは何か?「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

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IoTとは何か
(出典:野村総合研究所)


 では、IoTは、同じように物をつなぐM2M(マシン・ツー・マシン)とどう違うのか。ITU-Tに設置されたIoT-GSIによれば、「Things(モノ)」は物理的なものにとらわれず、バーチャルなもの(コンテンツなど)を含む点がM2Mとの違いだとされる。そのため、「M2MはIoTのサブセット」(城田氏)という。

参考記事:
M2Mとは何か?機器同士が自律通信するユビキタス社会実現のキーテクノロジー

 少し時計を遡ってみていこう。NRIでは2001年、IT社会がWebコンピューティングから、ユビキタスネットワーク、さらにエキゾチック・ネットワークへと変化することを予測していたという。エキゾチック・ネットワークとは、モノを中心にそれ自体が何でもネットワークにつながるという概念のこと。

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ユビキタスネットワークとエキゾチックネットワーク
(出典:野村総合研究所)


 その構成要素には、モバイル・コンピューティング、ウェアラブル・コンピューティング(身に付けるコンピュータ)、ノマディック・コンピューティング(ノマド向けコンピュータ。遊牧民のように動き回りながらコンピュータを利用すること)、センティエント・コンピューティング(知覚能力のあるコンピュータ)があり、現在のスマートデバイスやクラウドなどによって、ほぼ実現している状況だ。

 城田氏は「最後のセンティエント・コンピューティングについては、環境がセンシング能力を持ち、人の行動を支援する知覚能力のあるコンピューティングであり、AR(Augmented Reality:拡張現実)に近い。これは、まさにIoTで実現していく世界だ。」と説明する。

参考記事:
AR(拡張現実)とは何か?スマートフォン普及とともに注目集める新体験
AR(拡張現実)の5つのタイプと16のビジネスモデル

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エキゾチックネットワークの構成要素の多くは実現、残るはIoT
(出典:野村総合研究所)


 なぜ今このようなIoTの実現が現実のものとなってきたのであろうか。その背景には、まずセンサー技術の進歩が挙げられる。3軸加速度センサーやRFIDなどが、小型化、低消費電力化、低価格化により普及してきた。城田氏は、センサーの小型化によるデータ収集、たとえば、英Isansys社の「LifeTouch」や、米24eight社の「SmartSlippers」のように、人のバイタルデータや行動データを集める機器の登場を指摘する。

参考記事:
NFCタグとは何か?激安化で一気に広がるオフラインからオンラインへの架橋

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センサー技術の小型化、低消費電力化
(出典:野村総合研究所)


「前者のLifeTouchは、心拍数、呼吸、体温、血圧などをリアルタイムに計測し、モニタリングが可能な絆創膏風のセンサーだ。一方、SmartSlippersは、スリッパの一部にセンサーがあり、足の圧力、歩幅、移動をセンシングする。転倒を通知するようなヘルスケア分野で期待されている。」(城田氏)

 さらにセンサーと現実世界をつなげるモノもある。「Ninja Blocks」は、モーションセンサーや照度センサーによって、現実世界の出来事をTwitterやFacebook、Dropboxなどのサービスへアップしてくれるデバイスで、玄関や車庫などに設置して状況を把握できる。ウェアラブルコンユーティングの観点では、ナイキが「Nike+デバイス」を販売。靴やバンド、腕時計などにセンサーが埋め込まれ、アプリケーションを組み合わせて、人の活動のモチベーションを維持していける。

【次ページ】IoTで店舗消滅!?自動車業界も激変

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