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- 2013/10/07 掲載
リクルート SUUMOのデータサイエンティストが語る、AWSとOSS活用のビッグデータ分析
AWSで未来予測と予算最適化を実現
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
ビッグデータ分析は“活用出口”を規定してから臨むべき

SUUMOネット横断企画部
データマーケティングチーム
チームリーダー
兼シニア・データサイエンティスト
吉永 恵一 氏
AWS Cloud Storage Dayで登壇した吉永氏は冒頭、SUUMOでは大量のデータを扱う上でさまざまなサービスを利用していると切り出し、次のように続けた。
「AWSといったクラウドサービスだけでなく、大規模データを高速分散処理するためのHadoopや統計解析ツールのR、BIツールのPentahoなどのオープンソースソフトウェアも活用している。安い、フリーが我々にとってのキーワード。」
冒頭でも少し触れたように、SUUMOでは蓄積した大量データの“活用出口”として、経営管理の効率化と、カスタマコミュニケーションの最大化を設定している。
「いかにデータを蓄積して管理しても、“具体的に何に使うのか”が決まっていなければ、せっかく貯めたデータも宝の持ち腐れになってしまうことが多い。Webの改善や業務効率化、あるいはリコメンドなど色んな活用の出口があるが、こうした出口を最初に規定してからビッグデータ分析に臨むことが非常に重要だ。」
社内クラウドとオープンソースBIを連携してモニタリング
1つめが、データに基づく経営管理の効率化で、要はモニタリングだ。現状診断→未来予測→予算の最適化→予算配分の実行という広告出稿計画を最適化するためのPDCAサイクルを回していく。
もう1つがいわゆるCRMで、カスタマーコミュニケーションの最適化だ。カスタマーの行動把握→コミュニケーションデザインの設計→アルゴリズムの実装→打ち手の実行という施策を行う。
「端的にいえば、前者は、広告出稿メディアを効果的に組み合わせてサイトへの集客を増やすためのもの、一方後者は、カスタマーの離脱を防いで最終的な資料請求といったアクションに導くためのものだ。」
まず経営管理の効率化における現状診断について、吉永氏は次のように説明する。
「現状診断は、たとえばコンバージョンや売上などモニタリングしているKPIの不調に気付くところから始まる。次にその原因を特定し、施策を講じて改善を図り、その効果を測る。このうち、KPI、原因、効果の各々を定量的に把握するプロセスが現状診断だ。」
SUUMOでは社内クラウドにある広告費や資料請求などの各種データベースからデータを抽出してデータウェアハウスを構築し、BIツールのPentahoを利用して、こうした各項目のモニタリングを行っているという。
「この仕組みの実現により、作業日数は従来の5日から30分に短縮でき、さらにより深堀した分析ができるようになった。」
【次ページ】AWSの各種サービスで未来予測と予算最適化を実現
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