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- 2022/03/04 掲載
AWS CloudTrailを基礎からわかりやすく図解する
連載:図解AWSセキュリティ入門(2)
AWS CloudTrailとは
AWSの利用状況を管理するうえで、「誰が、いつ、何に対して、何をしたか」ということを記録しておくことは非常に重要です。AWS CloudTrail(以下、CloudTrail)はAWSアカウントの作成時点から自動ですべての操作を記録するサービスです。マネジメントコンソールやプログラムからの操作、AWSサービスにより実行されるアクションすべてを記録し蓄積します。これらの情報からAWSに対して誰がどういった操作をしたのかということを詳しく追うことができ、利用者による不正な操作やプログラムの想定外の動作による思わぬ変更などの調査に役立ちます。
ログは自動的に90日間保管されますが、設定によりS3などへログをファイルとして保管することも可能です。そうすることで90日を超えてログを保管することができます。S3などへ保管するログファイルは「証跡(Trail)」と呼ばれ、暗号化されて保管されます。また、保管後のログの改ざんを防ぐ機能もあり、何か問題が発生したときの当時の操作記録を証明するための重要な記録となります。CloudTrailはいわばAWSにおける監視カメラといえるでしょう。
記録される操作
「すべての操作を記録する」と書きましたが、具体的にはAWSの機能であるマネジメントコンソールやAPIといったものを通した操作が記録の対象となります。それに該当しない操作、たとえばSSHやリモートデスクトップを利用してEC2インスタンスへログインしてから行う操作のようなものは記録することができません。具体的には、次のような操作が記録されます。- 1 管理イベント
マネジメントコンソールへのログイン、EC2インスタンスやS3バケット、Lambda関数などAWSリソースの自体の作成、変更、削除といった操作 - 2 データイベント
S3バケット内のデータ操作(作成、編集、削除)、Lambda関数の実行といったAWSリソースへの操作 - 3 インサイトイベント
AWSアカウントの操作において、普段とは異なる異常な操作(普段のCloudTrailのログから典型的な使用パターンを学習し、そこから逸脱したパターンの操作を検出する機能)
なお、デフォルトではこのうち1の管理イベントのみが記録されるようになっています。2、3のデータイベント、インサイトイベントは設定を有効にすることで記録されるようになります。
【次ページ】ログ(証跡)を90日を超えて残しておく方法
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