欧米勢が上位3社を独占、M&Aを繰り返し巨大化
コンテナ船積載量で世界第1位の海運会社はデンマークのマースクライン。1904年創業で、世界最大の海運コングロマリット(企業複合体)といわれるA・P・モラー・マースクの中核企業だ。
大型コンテナ船が得意で、効率的なコンテナ流通網を世界の津々浦々に張り巡らしている。並行して、M&A(企業合併・買収)を積極的に繰り返し、海運業界のガリバーとしての地位を不動にした。
2006年には、世界有数の海運会社だった英国・オランダ系のP&Oのコンテナ部門を買収している。日本支社も戦後間もない1947年に設立。現在約200人の社員がいる(世界全体の社員数は約31000人)。港などで「青地に白い星」のマークがついたコンテナを見かけたら、それがマースクのコンテナだ。
世界第2位の海運会社はMSC(メディタレニアン・シッピング・カンパニー)。おもしろいのは海のないスイスに本社があることだが、もともとイタリアが本拠地で、現在もイタリア人のオーナーが経営している。1970年創業の新興企業だが、合理主義経営で急成長した。日本法人のエムエスシージャパンもある。
世界第3位のCMA CGMは1996年、フランスの大手海運会社であるCMAとCGMが経営統合して誕生した。2005年には同じフランスの大手海運会社のバルマスも合併し、巨大化した。CMAは国有化されていた時期もあり、リーマンショック後はフランス政府が経営再建を支援するなど国策色が強い傾向がある。
これら世界のビッグ3に共通するのは、コンテナ事業に強いということ。コンテナは取扱う量が多いほど物流を効率化できる。スケールメリットを享受しやすいのだ。
世界第6位はハパックロイド+CSAVだ。2014年2月にドイツのハパックロイドと、チリのCSAVが経営統合することで、6位に躍り出た。
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