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  • 2015/10/28 掲載

造船業界の世界ランキング:今治造船やジャパンマリンユナイテッドは逆転の好機到来か

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今、世界の造船業界を牽引しているのは欧米でも日本でもない。CSSC、現代重工業といった中国や韓国のメーカーだ。国を挙げて造船業を育成してきた両国だが、現在は深刻な造船不況に見舞われ、国家戦略の見直しを迫られている。一方、中・韓にコスト競争で破れ、トップの座を明け渡して久しい日本の造船業界だが、円安による反転・攻勢のチャンスも巡ってきた。今治造船とジャパンマリンユナイテッドが、その旗頭だ。造船王国復活のカギは何か。
執筆:野澤 正毅 企画・構成:編集部 松尾慎司

執筆:野澤 正毅 企画・構成:編集部 松尾慎司

野澤 正毅:1967年12月生まれ。東京都出身。専門紙記者、雑誌編集者を経て、現在、ビジネスや医療・健康分野を中心に執筆活動を行っている。

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造船王国「日本」の復活はあるのか

日本の貨物の99.6%は船が運んでいる

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 船は、人類にとって、最も古い文明の利器の一つと考えられている。たとえば、日本では、石器時代(約3万5000年前)の本州の遺跡から、伊豆七島産の黒曜石が見つかっている。つまり、その頃から本州と伊豆七島を船で往復する人々がいたのだ。

 おそらく最初は「いかだ」のようなものだった船は、やがて丸太船、木材を組み合わせた船へと進化していった。櫂や櫓、帆といった船具も発明された。古代エジプトでは、帆船が登場し、ピラミッドに用いる石を、ナイル川を通じて船で運んでいた。大型の帆船による大陸間の航海も可能になっていた。たとえば、大陸から日本に渡ってきた船が、さまざまな文物をもたらしたことはご存じのとおりだろう。

 人類の文明が飛躍的に発達したのは、船によって最先端の知識や物資をグローバルに広められたことが大きい。20世紀になると、石油を動力とする鋼鉄製の大型船も欧米で登場し、輸送能力はさらに高まった。

 人を乗せる客船(フェリー・クルーズ船など)、軍事用の戦艦、漁船、ヨットやモーターボートなど船は多種多様だが、それらの中で現在、メインとなっているのは貨物船である。これまた、一般貨物船やコンテナ船、バラ積み船(バルカー)、冷凍・冷蔵運搬船、タンカーなど、さまざまな種類がある。

 船は、鉄道や自動車、航空機と比べると、輸送スピードでは劣っている。しかし、輸送効率(同じ燃料でどのくらいの輸送量か)では、タンカーは鉄道の約10倍、自動車の約100倍に達するものもある。船は、とりわけ、大量の物資をまとめて運ぶのに適しているわけだ。そのため、今日でも貨物船がグローバル物流の主役として君臨している。海に囲まれた日本の場合、貨物総量9.6億トンのうち、実に99.6%は船によって海上で輸送されている(出典:国土交通省「海事レポート」 2014年版)。

中国の造船業が韓国を抜いて世界一に

 船の優位性は輸送効率の高さ、すなわち、輸送コストの安さにある。そうしたニーズに応えるため、造船業は、低コスト化をひたすら追求してきたと言っても過言ではない。

 そのため、貨物船は巨大化の一途をたどってきた。造船所もコストがかからない新興国に移転した。その結果、造船の歴史をリードしてきた先進国の造船業は、見る影もなく衰退してしまった。

 先進国の造船業が立ち行かなくなった理由として、自動車、航空機などに比べて、船が“ローテク産業”である点も見逃せない。LNG運搬船のような新しいニーズから生まれたハイテク船も一部にはあるが、大半の船は「既存技術を活用して、いかに安く作るか」がテーマになっている。質ではなく、量の勝負なのだ。

【次ページ】「2014年問題」で大打撃を受けた中・韓

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