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  • 2014/12/18

ハリポタ絶好調のUSJ、田中功取締役が語る客数激増のデータ分析とマーケティング戦略

西のテーマパークの雄、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が絶好調だ。ここ3年間は入場者数が毎年100万人規模で増加。7月には開業以来最大となる450億円をかけたハリー・ポッターの新エリアもオープンし、2014年度は、開業時の来場者数1102万人を超えて過去最高となるのがほぼ確実な情勢となってきた。しかし、その道のりは決して平坦なものではなかった。USJのV字回復の理由は何だったのか。USJの田中功 取締役が明かした。

USJは小売業であり、装置産業

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ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(Photo by yukikei

 2014年で14年目を迎えたUSJ。開業年の2001年は1102万人の来場者数を記録し、華々しいスタートを切った。しかし、翌2002年には食品の品質保持期限切れなどの不祥事が発覚し、来場者数は770万人にまで一気に落ち込んだ。

 この状況を改善すべく、2004年6月にはマネジメント体制を変更、2006年にはマーケティング戦略そのものも見直して転換を図った。2007年には東証マザーズに株式上場も果たしたが、その翌年にはリーマンショックが発生するという“不運”にも見舞われる。意思決定のスピードを考えて、2009年にはマネジメント・バイアウト(MBO:経営陣による買収)を行ったが、2009年度、2010年度の来場者数は750万人にまで落ち込んでしまう。

 「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014(NEC主催)」で登壇した田中氏は、同社のビジネスを「ショッピングモール」と表現する。

「ショッピングモールは、物販がビジネスの太い柱としてあり、それに加えて飲食やエンターテイメントもある。一方、USJはエンターテイメントが太い柱で、パーク内には物販や飲食などの店舗がある。売上比率としては入場料収入が約半分で、残りの半分は物販とレストランなど飲食店舗の売上だ。多くの人はUSJをテーマパークと考えるが、我々自身は小売業だと認識している」(田中氏)

 また、もう1つの特徴は「装置産業」としての側面を持っていることだ。

「現在のUSJをゼロから作ろうとすると、土地代金を除いて3,000億円強の資金が必要だ。またテーマパークには広いスペースも要る。この2つの要素は、他社に対する大きな参入障壁となっている」(田中氏)

 USJの敷地面積は54ヘクタールで、甲子園球場の実に14倍にのぼる。またテーマエリア数は9つ。この中で、カート販売も含めると、レストラン61店舗、物販店56店舗を抱える。

「ハリウッド映画の世界」から「ファミリーエンターテイメント」へ

 低迷期も決して手をこまねいていたわけではなかった。1回の入場チケットが5,500円だった3年目当時、有効期間が最大10か月のパスを6,900円にするという大胆な低価格販売を敢行。これにより、来場者数は約990万人にまで一気に回復したが、「経営的には決して利益に大きく寄与したわけではなかった」(田中氏)。

 そこでマーケティング戦略そのものを見直し、「従来の映画のテーマパークというポジショニングから、ワールドクラスのファミリーエンターテイメントへとUSJの軸足を移した」(田中氏)。

 以前は若年層をメインターゲットに据え、スリルや興奮などに重点を置いていたが、これをファミリー層に広げたのである。2012年には「ユニバーサル・ワンダーランド」をオープン。スヌーピーやハローキティ、ビッグバード、ワンピースなど、“脱映画”のための子供向けコンテンツも積極的に取り入れた。

【次ページ】USJの社内文書にはある一文が必ず記載されている

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