2014年のスマートフォン広告市場規模は3,008億円

　サイバーエージェント子会社のCyberZとシード・プランニングは18日、「2015年 スマートフォン広告市場動向調査」を行い、これを発表した。

　調査によると、スマートフォン利用者の拡大やスマートフォンの特性を活かした広告媒体や広告フォーマットの登場を背景に、広告主のスマートフォン広告需要は前年同様に急速に拡大し、2014年のスマートフォン広告市場は、前年予想時の2,304億を大きく上回る3,008億円（対前年比162％）となった。

2014年のディスプレイ広告市場規模は前年比193％と急成長

　全体に占めるディスプレイ広告の構成比が初めて過半数を突破し、市場規模拡大をけん引する結果になった。

　2014年のスマートフォン広告商品別市場規模は、検索連動型広告市場が1,200億円（前年比140％）、ディスプレイ広告市場が1,648億円（前年比193％）、成果報酬型広告市場が160億円（前年比109％）となった。最も成長率が高いディスプレイ広告市場が全体に占める構成比は、前年の46％から54％へ拡大した。

2015年以降、スマートフォンネイティブ広告の需要が急増

　2014年には、スマートフォン広告提供事業者の多くが、ネイティブ広告と銘打った広告商品の提供を開始した。また、ネイティブ広告の掲載先として、ニュースキュレーションアプリなどがスマートフォンならではの新しいメディアとして注目を集めた。ネイティブ広告は、従来のディスプレイ広告に次ぐ新しいスマートフォン広告の提供形態として今後普及していくことが予想されるほか、2015年には大手事業者による参入も予想されることなどから、広告主の出稿ニーズは急速に拡大することが予想されるという。

2015年のスマートフォン広告市場は3,903億円

　2015年も引き続き、インターネット広告市場におけるPCからスマートフォンへの予算シフトとともに、国内外のゲーム会社やeコマース、金融など広告主の出稿ニーズは拡大し、高い成長率が見込まれるという。

　広告主のユーザーデータを活用したターゲティング精度の向上や、広告表現技術の進展などにより、スマートフォンユーザーを対象としたオンラインマーケティングがより高度化し、動画広告やネイティブ広告など新しい広告商品の拡充が、市場全体の活性化に寄与することが予想されるとした。

　広告商品別では、検索連動型広告が1,440億円(前年比120％)、ディスプレイ広告2,291億円(前年比139％)、成果報酬型広告172億円（前年比107％）と予測した。2015年は、スマートフォン向けの広告商品ラインナップの拡充や、PC向け広告とのクロスチャネルによる最適化された広告配信技術が普及し始めることにより、広告主のスマートフォン広告出稿ニーズが順調に増加することが予想される。

　検索連動型広告市場は、ユーザーの検索利用の増加を背景に市場の成長は継続するものの、成長率は緩やかになると予想。ディスプレイ広告市場は、前年に引き続きソーシャルメディア広告やネイティブ広告、動画広告の需要拡大などを背景に、高い成長率を維持し、スマートフォン広告市場の成長をけん引すると考えられるという。成果報酬型広告は、ゲームデベロッパーからの根強い需要のもと、動画広告やターゲティング広告などの普及により、堅調な推移をする見込みとなっている。

2016年のスマートフォン広告市場規模は、インターネット広告市場の過半数を突破する

　スマートフォン広告市場は、2016年以降も成長率は緩やかになりながらも、ユーザーのインターネット上の消費行動における更なる比重の高まりや、オンラインとオフラインを横断するマーケティングチャネルとしてその重要性が高まることなどを背景に、持続的な成長を維持すると考えられる。この結果、市場規模は2016年に4,737億円に達し、インターネット広告市場全体の55％に達すると予想した。


　調査2014年11月から2015年1月にかけて、スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集により行われた。調査対象はスマートフォン広告市場ならびに関連市場となっている。