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  • 2015/12/16

健康をむしばむIT機器のブルーライトに、睡眠医学で対処せよ

24時間のうちかなりの割合を占める「睡眠」を、どうすべきか。食事も運動も体調管理において大切なことだが、日々時間に追われ続けるビジネスパーソンとしてはまず、睡眠は大きな関心事だろう。良質な睡眠を効率的にとれるようになれば、時間の余裕も生じ、仕事の能率も上がるに違いない。また現代社会においては、IT機器が人体に及ぼす悪影響についての懸念も広がっている。どのように対策すれば良いのだろうか? 睡眠専門医からの助言を聞く。

医学博士 産業医 白濱龍太郎

医学博士 産業医 白濱龍太郎

睡眠専門医・RESM(リズム)新横浜睡眠呼吸メディカルケアクリニック院長。関東初の睡眠時無呼吸症候群の病院長を務め、現在は新横浜に、寝具メーカー丸綿本社内に、睡眠障害、呼吸器内科疾患専門のクリニック「RESM(リズム)新横浜」を開設。いま多くのビジネスパーソンを悩ます、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害等の保険診療が可能な専門施設として注目される。治療にとどまらず、栄養指導や生活習慣指導を実施。自身も体調管理や健康への意識は高く、休日にはサーフィンやトライアスロンの大会に出るなどアクティブに活動。最近はワールドビジネスサテライト出演、日経新聞掲載をはじめマスコミ露出が多く、休診日には全国にて講演を行うなど、「睡眠」の分野でいま最も注目されるドクターである。著書に『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(アスコム)、『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)などがある。

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会社を出たらネクタイを外す

 人間の睡眠メカニズムには、基本的には夜になると眠くなって睡眠を取るという生体リズムが働いています。これは遺伝子に組み込まれているもので、体内時計によってコントロールされています。

 そして体内時計を調整するのが自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類の神経で構成されています。交感神経は緊張しているときに働く神経で、日が昇り始めるとともに活動を始め、昼頃にピークを迎えます。

 一方で副交感神経は、リラックスしているときに優位になる神経です。一日の活動で傷ついた細胞などを回復させることを目的として、日没の頃から働きが活発になり、睡眠中に最も活動性が高くなります。

 つまり、副交感神経をよく働かせ、交感神経の働きを鎮めることが、スムーズな入眠につながるのです。逆に副交感神経がきちんと働かないと、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなったりして、心身を十分に休めることができなくなります。

 チョコレートの摂取も、副交感神経を活性化させるためのひとつの方法です。ほかにも、終業後にネクタイを外すだけでも、緊張状態を緩和させる働きは小さくありません。些細なことですが、会社を出てからは少しずつ解放感を積み重ねて、リラックス効果を"自分の脳を騙すように"演出することがポイントです。

 もちろん、ジムやコンサートなど、寄り道をしてプライベートな時間を楽しむのも手です。「興奮し過ぎると眠れなくなるのでは?」という不安を抱く人もいるかと思いますが、眠る直前ならともかく、適度な楽しみやリラックス効果は睡眠に欠かせない副交感神経の働きを活発にします。

帰宅時の電車の中では絶対に眠らない!!

 夕方以降、リラックスすることを意識すると、電車の中でつい眠たくなってしまうことがあります。しかし帰宅途中の電車の中こそ、睡眠の質を左右する最も注意すべき時間帯といっていいでしょう。

 ずばり、帰りの電車の中では絶対に眠らないようにしてください。

 朝起きた人間の体は夕方頃に自然と体温が高くなり、夜にかけて徐々に下がっていきます。この落差が眠気を催し、スムーズな入眠に導きます。しかし、夕方に眠ってしまうと上がるはずの体温が上昇せず、眠る時間になっても体温が下がらなくなります。そうなると睡眠のリズムが崩れ、なかなか寝つけなくなります。

 私のクリニックに初めて来る患者さんに、意外と共通しているのが「帰りの電車の中で寝ている」という点です。逆にいうと、この時間帯の睡魔をコントロールすることで、入眠のしやすさがグッと改善された患者さんも少なくありません。

 夕方の時間帯は、いわゆる「睡眠の禁止ゾーン」。仮眠を取る場合は、「15時までに20分以内」という睡眠のルールを忘れずにいてください。

夕方以降はブルーライトを遠ざける

 機能の高度化により、今や手放せない存在となったスマートフォン(携帯電話)やタブレットといった小型のIT機器。ただ、これらのディスプレイから発せられる光はブルーライトと呼ばれ、睡眠の質を低下させる可能性があります。

 その主な理由として、ブルーライトが目や脳を覚醒させてしまうことが考えられます。ブルーライトは波長が紫外線に近く、目の角膜や水晶体を通り抜けて網膜まで到達し、交感神経を刺激する働きがあるとされています。

 そうすると結果的に入眠の妨げとなってしまったり、睡眠の質に悪影響を及ぼしたりといった弊害を起こす可能性につながります。またこれらのIT機器が発する電磁波も、深い睡眠の妨げとなる可能性があります。

 しっかり睡眠時間を確保しているはずなのに、どうも疲労感が取れないという人は、睡眠直前まで長時間スマートフォンを操作しているようなことはないか、振り返ってみてください。

 目安として、睡眠の1~2時間前はブルーライトをなるべく見ないようにするのが理想です。思い切って寝室ではスマートフォンを操作しない、というのもひとつの方法です。

スマホ画面にブルーライト用フィルムを貼る

 とはいえ、現実的には仕事関係の着信がないか定期的に確認しなければならない人や、帰宅後は趣味のゲームを楽しみたい人など、どうしてもスマートフォンを手放せないというケースもあるかと思います。そんな人におすすめしているのが、ブルーライトをカットする液晶保護フィルムです。

 市販商品のなかには20~25%前後もブルーライトをカットするものもあり、貼るだけで目の負担は大きく変わってきます。価格も1000~2000円程度なので、それほど高価なものではありません。スマートフォン本体を遠ざけて使用するよりは、気軽に実践できるかと思います。

 画面輝度全体を機器設定で下げるのもひとつの手ですが、「文字が読みづらくなるのは避けたい」という人は、効率的にブルーライトを遮断する専用フィルムを貼るのがおすすめです。

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 もし可能であれば、会社の個人用パソコンもブルーライトカットの対策フィルムを貼りましょう。睡眠への影響もさることながら、ブルーライト対策は眼精疲労の軽減にもつながるでしょう。業務は長時間のデスクワークが中心という人は、ぜひ試してください。

 最初はちょっと暗いかな、というくらいがちょうどよい按配です。早ければ30分後にはすっかり慣れているはずなので、しばらく使い続けてみるのがコツです。

【次ページ】 寝酒が睡眠の質を下げるのはなぜか

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