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  • 2015/01/09

Apple Pay登場で注目を集める「決済」の最新動向、押さえておくべき6つのトピック

アップルのApple Payが登場したことで、俄然注目が集まる決済分野だが、米国ではそれ以外の動きも非常に活発だ。だったらこの目で確かめようということで、2014年11月2日~5日まで米国・ラスベガスで開催された「Money20/20」を訪れた。今回は、同イベントの様子から、2015年の日本で注目を集める可能性のある6つのトピックスを紹介したい。

TIプランニング代表取締役 池谷 貴

TIプランニング代表取締役 池谷 貴

編集などの仕事を経て、カード業界誌の版元において、雑誌編集、プランニング、セミナー、展示会などの運営に携わる。電子決済、PCI DSS/カードセキュリティ、ICカード、ICタグなどのガイドブック制作を統括。2009年11月にマーケティング、カード・電子決済、IT・通信サービスなどのコンサルティング、調査レポート・書籍の発行、セミナー運営、ポータルサイト「payment navi(ペイメントナビ)」「PAYMENT WORLD(ペイメントワールド)」などのサービスを手掛けるTIプランニングを設立した。

全米の名だたる企業が参加した「Money20/20」

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米国・ラスベガスで開催された「Money20/20」。世界中から1万人以上が詰めかけた
 2014年の「Money20/20」の最大のトピックは、その熱気にあったと言えそうだ。最大2,950ドル(約32万8,000円)と高額な参加費にもかかわらず、今年は3,000以上の企業と75カ国から1,000人以上のCEOを含む1万人以上の出席者があったという。

 メインはカンファレンスで、VisaやAmericanExpress、PayPal、Amazon、サブウェイといった世界の名だたる企業のキーマンが登壇。4日間の開催中にはぎっしりとセッションの時間が設けられていた。また、ブース展示は3日から5日までとなり、積極的な情報交換が行われた。

 筆者はセッションよりもブース取材がメインだったが、国内からも複数の決済関係者が詰め掛けており、投資を目的に訪れる人も見受けられた。ただ、同時期にフランスでICカードの世界的なイベント「CARTES SECURE CONNEXIONS 2014」(CARTES)が開催されていたため、決済やカードにかかわる業界人は分散したと言われている。ブースを見るとCARTESの場合は、カード決済端末や発行機など、ハード寄りが多い印象を受けたが、「Money20/20」はソリューションやシステム寄りの展示が多かった。

1.サムソンとの提携が噂されるLoopPayは日本にも進出か?

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「LoopPay」は複数のカードを1つのアプリに格納できる
 この年末、韓国・サムソンが独自のモバイル決済サービスを来年にもスタートさせるというニュースが飛び込んできた。それが、米国のベンチャーLoopPayが展開する「LoopPay」である。

 これは、店舗に設置された端末の磁気ヘッドから、カードをスワイプすることなくピックアップする独自の技術を利用して決済させるもの。非接触で決済が行えるが、店舗にはNFCリーダなどの端末を設置する必要はない。米国では、ガソリンスタンドやATMなどを除く9割のPOS加盟店で利用することが可能だ。

 課題は、スマートフォンに取り付けて通信が可能なケースやイヤフォンジャックを利用者が購入しなければならない点だが、サムソンのスマートフォンに機能が内蔵される可能性もある。なお、LoopPayは日本でもテストを実施。同社の担当者も「日本はテクノロジーに強い国であり、大きなマーケットになる可能性がある」と期待しているようだ。

2.Apple Payの主戦場はオンラインか?

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Money20/20にはAmazonも出展し、チェックアウトサービスをアピールしていた
 また、iOSのシェアが高い米国とあって、「Apple Pay」が多くの関係者から取り上げられていた。実際に滑り出しは順調という声もあるが、個人的に判断するのは時期尚早とみている。なぜなら、新しいIT技術に関心のあるユーザーを中心にサービス開始当初は利用されているからだ。

 それは、日本のモバイルFeliCaと同様で、たとえばある日本の飲食チェーンでは、モバイルFeliCaのアプリを導入し、当初はその話題性もあってユーザーを獲得できたが、その後、ユーザー数は伸び悩んでいる。半年、1年経過した際に、どの程度まで浸透し、成果が生まれるのかがポイントになるだろう。

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 一方で、Apple Payは、Visaの「Visa payWave」、MasterCardの「MasterCard Contactless(旧MasterCard PayPass)」同様に、EMV(ICカードと端末に関する仕様を定めた標準規格)の仕様に基づいており、同じ端末で決済可能だ。

 日本でもテストを開始しているJCBの「J/Speedy」も含め、非接触決済のインフラが広まれば、相乗効果で加盟店が広がる可能性もある。実際、Apple Payを幕張の商業施設「イクスピアリ」の「MasterCard Contactless」端末で利用すれば、決済が行えるという話もある。

 ただ、Apple Payが利用できるリアル加盟店は開始当初で約3%の22万店。また、当面は非接触決済の特性上、比較的少額の取引がメインになると思われる。

 その意味ではあまり注目されてはないが、今回のMoney20/20でも展示を行ったAmazonの「Checkout by Amazon」や、日本の「楽天ID決済」や「Yahoo!ウォレット」、「リクルートかんたん支払い」、「LINE Pay」のようにApple Payの主戦場はオンラインになる可能性もある。


 アップルとしても、これまでiOSで閉じていたユーザーが外部サイトでも簡単、安心、スピーディーに決済ができることで、自らの経済圏を拡大することが可能となる。また、将来的にはリアル決済において非対面取引が可能となれば、端末のインフラが整備されなくても存在感を高めることが可能だ。

 2015年にはMasterCardのデジタル決済サービス「MasterPass」も国内でも運用がスタートする予定だ。国内においては、IDとパスワードで決済が可能なチェックアウトサービスは発展途上だが、プレイヤーの増加に伴い、より注目を高めると思われる。

【次ページ】Bitcoin決済は根付くか?

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