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- 2015/07/06 掲載
小学生の息子からヒントを得てワークスタイル改革 フジテックCIOが語る「働き方2.0」
1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。
壁があるITこそがシャドー、壁の外にこそサニーサイドのITがある
同社は積極的にビジネスにITを取り入れてワークスタイルの改革を推進している。いまでこそGoogleハングアウトなどを使い熟しているが、同社の執行役員 情報システム部長 友岡 賢二氏が初めてGoogle Appsを知ったのは息子の宿題がキッカケだった。
「家族旅行の際に、小学生の息子が空港やホテルに設置されているPCを使って作業をしていたので、何をしているの? と訊ねたところ、宿題をやっていると答えが返ってきました。実はその宿題とは、Googleプレゼンテーションで作文を書くというもの。彼は旅行の先々で、ちょっとした時間をみつけては、宿題をこなしていました。これにはすごく驚きました」(友岡氏)
このようにクラウドを利用して宿題をこなす自分の子供を見て、友岡氏は「21世紀に生まれた子供たちは、もはやクラウドもモバイルもネイティブな世代になっている」と痛感し、世代間ギャップを感じるとともに、今がどういう時代になったのか、あらためてCIOの立場から再考したという。
友岡氏は、今問題になっているシャドーITについても、独自の見解を持っている。
「企業ITは屈強なセキュリティの壁で守られています。そのため外にあるシャドーITは、管理者にとって悪魔のイメージがあります。しかし実際に外で起きていることは、クラウドであったり、モバイルであったりと、イノベーティブなことが多いのです。逆に企業内では、いつまでも古臭い中世のシステムが残り、それを使うように社員に強いているのではないでしょうか?」(友岡氏)
たとえば社内でYouTubeが閲覧できないことは、大企業ではよくあるケースだ。まだスマートフォンを利用できない社内システムも多い。「私は、壁があるITこそがシャドーであり、壁の外にこそサニーサイドのIT、すなわち未来があると考えています」と、逆転の発想を唱える。
【次ページ】 手に入れたものは単なる情報でなく、自由
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