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- 2015/12/15 掲載
なぜ「出世すると金持ちになれない」のか? 大富豪から学ぶ「お金のルール」
お小遣い制の男は出世できない?
世間では、大半の家庭がお小遣い制を導入しているようです。新生銀行の「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」によると、2012年の男性の小遣いは平均月3万9,756円。月給が伸び悩むなか、小遣いの額は1981年並みの低さらしいのです。
家計は妻だけが握り、夫は永遠の定額お小遣い制。妻の楽しみや子供の教育費には湯水のごとくお金を注ぎ、生活費が足りなくなれば「夫の働きが悪いせい」と考える、そんな夫を出世させない典型的な妻の姿も思い浮かぶかもしれません。
たしかにお小遣い制にするとお金が管理しやすく、貯まりやすいのは事実。
しかし、世間の「お金持ち」と呼ばれている人の話を聞くと、お小遣い制にしている人はかなりの少数派というのです。お金持ちの生活をみると、ほとんどが自分で財布を握っているか、共働きのパートナーと財布を別々に管理しています。
お小遣い制とお金持ちになれるための相関関係はあるのでしょうか。
節約よりもたいせつなこと
「そうはいっても、お小遣い制のほうが使える金額が決まっているのでお金が貯まりやすい」そう考える人は多いでしょう。たしかに、節約は大事。お金持ちになる第一歩は、ムダな浪費をやめて、節約をすることのはず。
しかし、自分で財布を握り、自分でお金をコントロールできないと、お金持ちにはなれません。小遣い制は「支出を減らす」ことはできても、「収入を増やす」という観点でいえばマイナスだからです。
一家の稼ぎ頭である夫が妻にお小遣いを渡しているケースはまだいいとして、妻が稼ぎ頭である夫にお小遣いを渡しているケースは問題があります。
サラリーマンが1日に使える金額は1,300円程度。その中でやりくりするために、ランチを500円以内に収めようと毎日苦心しているサラリーマンも多いでしょう。しかし、自由に使えるお金が限定されると、判断基準の「モノサシ」がどんどん短くなってしまうのです。
小遣い制はお金の「モノサシ」を短くする
お金持ちになれない人は、短い「モノサシ」しかもっていないので、目の前の損得勘定でお金を使ってしまいます。「モノサシ」の長さの差が、お金持ちになれるかどうかを分けているのです。誤解を恐れずにいえば、小遣い制でランチを500円以内に押さえようと必死になっている人が、自分にとって本当に必要なものに対して、ためらわずに支出しようと考えるでしょうか。
判断基準の「モノサシ」が短くなれば、ビジネスの判断も鈍ります。
また、仕事につながりそうな飲み会があるのに、「今月はお小遣いが足りないから」という理由で断ってしまえば、チャンスを逃してしまうでしょう。
お金持ちになる人は、自分でお金を管理しています。
そうはいっても、現実的にお小遣い制を変えるのは難しい。そんな声もあるはずです。そんな人でも、百歩譲って小遣い制にするとしても、「自己投資用」の財布をつくっておくなど、柔軟にお金が使える工夫をすべきなのです。
【次ページ】 「出世すると金持ちになれない」という逆説
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