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  • 2016/07/26 掲載

Pepperはこうやって人間に近づく

ソフトバンクロボティクス主催「UXデザインワークショップ」レポート

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7月14日、新宿で、ソフトバンクロボティクス主催のPepper開発者向けワークショップ「UXデザインワークショップ」が開催された。登壇者は劇作家で演出家、東京藝術大学特任教授の平田オリザさんと、同大学ロボティシスト・特任研究員の力石武信さん。ロボット演劇との数年にわたる取り組みで生まれた研究成果から、ワークショップ形式で制作のノウハウを伝えるという内容に、30名の参加者たちが2時間にわたりレクチャーを受けた。その模様を紹介しよう。
(取材・執筆:SBクリエイティブ &IDEA編集部 三津田治夫)

ロボットの動きを自然に感じさせる4つの要素

photo
ファシリテーターを務めた
東京藝術大学特任教授
平田オリザさん
 Pepperをよりリアルに動かすために、ファシリテーターの平田オリザさんは、「コンテクスト」と「イメージの共有」「動き」「意味と意図を持たせる」の4点を中心に解説。

 参加者は机と椅子を会場の周囲に移動させ、中央の空間でワークショップを行った。

 まず最初は、「好きな色は?」「好きな果物は?」というイメージしやすい事柄でグループを作りウォーミングアップ。「新宿と聞いて思い浮かべるものは?」という、参加者同士で空間共有する「コンテクストベースの会話」を質問に織り交ぜ、最後は「行きたい国は?」という質問に対し、回答者にファシリテーターが個人的な体験を語る「パーソナルベースの会話」に落とし込むという、一連の会話の流れを体験した。

 そのうえで、「ロボットとの会話を違和感なく成立させるには、コンテクストベースの会話とパーソナルベースの会話の2つを常に意識することが大切」と解説。

 2つ目の「イメージの共有」では、大縄跳びのワークショップを行った。数名で「エアー大縄飛び」を行い、それがいかにリアルに見えるかを演じるというもので、演劇のワークショップでも実際に使われている。ここに架空の縄を飛ばない人や、予想外の動きをする人が一人でもいると、見る人との「イメージの共有」は成立しなくなる。

 Pepperプログラマーの仕事は、「ロボットがあたかも主体的に動いているかのように見せること」と「相手にロボットと思わせないこと」で、そのためには「Pepperの作り手とユーザーが同じイメージをいかに共有できるか」が要点であると平田オリザさんは述べる。

画像
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 3つ目の「動き」に関しては、参加者がペアになって「エアー・キャッチボール」を体験。ボールを持たずに架空のキャッチボールをする場合と、実際のボールを使った場合とで、動きにどのような変化が出たのかを参加者同士で議論した。頭の中のイメージや思い込みだけだと上半身のみが動くなど「不自然な動き」になり、そのような動きは工学者やプログラマーが作りがちであるが、自他の動きを慎重に観察すればリアルな動きが可能となる。

 実際に「エアー・キャッチボール」と本物のキャッチボールを何度も繰り返していくうちに、バウンドさせたり、アンダースローにしたりなど、参加者たちはそれらしいフォームをさまざまと打ち出すようになった。ここでもまた、参加者同士の「イメージの共有」が成立している。

【次ページ】ロボットの言葉に意味と意図を持たせる

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