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  • 2016/12/28

GE、楽天のイントラプラナーとイノベーションを生み出す「戦略人事」とは

企業を取り巻く経営環境が激しく変化し、グローバル競争が激化する中、人事部門が経営戦略に資する「戦略人事」の重要性が叫ばれ続けている。ところが日本では、その重要性は認識しつつも、実際に取り組んでいる企業はそれほど多くない。法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科教授の藤村博之氏による司会の下、世界で戦うGEジャパン人事部長の谷本美穂氏と楽天 常務執行役員 人事・総務担当役員の杉原章郎氏が、強いこだわりを持って実践しているそれぞれの戦略人事について語った。

フリージャーナリスト 小山 健治

フリージャーナリスト 小山 健治

1961年生まれ。システムエンジニア、編集プロダクションでのディレクターを経て、1994年よりフリーランスのジャーナリスト、コピーライター。企業情報システム、BI、ビッグデータ、IT関連マーケティング、ストレージなどの分野を中心に活動中。著書に、「図解 情報・コンピュータ業界」(東洋経済新報社)、「One to One:インターネット時代の超マーケティング」(IDL)、「CRMからCREへ」(日本能率協会マジメントセンター)などがある。

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GEと楽天の「戦略人事」に迫る
© vectorfusionart - Fotolia)



本来の「人事部」の存在意義とは

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法政大学大学院
イノベーション・マネジメント研究科教授
藤村博之氏
 戦略人事といっても何も特別な取り組みが求められるわけではない。法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授の藤村博之氏は、「平たく言えば戦略人事とは、人事担当者がしっかり自分の頭で考えて他部門と議論をすることです」と語った。

 企業において、人事部は間接部門の位置づけにあるだけに、どうしても他部門に対する「御用聞き」になりがちだ。しかし、本来の人事部はそれではだめで、他部門から何らかの要請を受けた場合、できることはできる、できないものはできないという姿勢で臨む必要がある。もちろん、できないことをただ押し返すだけでは摩擦を生むだけだ。「なぜできないのか、納得できるように説明することが大切です」と藤村氏は説く。

 企業はカネの結合体であると同時に、ヒトの結合体でもある。重要な経営資源としては、ほかにもモノや情報が挙げられるが、まずはカネとヒトの両輪がしっかり連動して回っていないと企業は存続できない。

 たとえばリストラを断行してヒトを減らせば、一時的に利益は上がるかもしれない。だが、そのツケがあとから回ってきて、2~3年後に経営状態はかえって悪くなってしまう恐れがある。カネとヒトは、しばしばトレードオフの関係になるが、最適なバランスを取りながら両立させていかなければならない。これを考えるのが人事部なのである。

GEに学ぶ「人事部のリーダーシップ」

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GEジャパン
人事部長
谷本美穂氏
 実際にグローバルで「強さ」を発揮している企業は、どのような戦略人事を実践しているのだろうか。GEと楽天の取り組みが参考にできるのではないか。

 GEといえば、航空機エンジンや医療機器、産業用ソフトウェア、鉄道機器、発電および送電機器などを主力事業として手がける超巨大企業として知られる。全世界の約180か国でオペレーションを展開し、社員数は約33万3000人。総売上高は実に約1,174億ドル(約13兆円)に達する。この強大な収益力を維持し、さらに高めていく上で重要な役割を担っているのが戦略人事なのだ。

 GEジャパンの人事部長を務める谷本美穂氏は、「ビジネスの成長のために人事部が何をなすべきかを考えて追求する試行錯誤を、日々繰り返しています」と語る。同氏が特に注力している施策として挙げるのが、組織開発と人材開発である。

 この取り組みを支えるべくGEでは「ピープルレビュー」という全社的なシステムを整備しているという。個々の人材に対して、業績、リーダーシップ、ポテンシャルなどの徹底的なタレントビューを行うものだ。優秀なタレントの育成プラン、パフォーマンスが望ましくない人材へのアクションプラン、重要なポジションの育成プランなどが、このタレントビューに基づいて策定されるのである。

 この背景にあるのは、GEの人材マネジメントにおける「リーダーシップ・デベロップメント」への強いこだわりだ。「社員全員がリーダーシップを発揮する」ことがGEバリューとして定義されており、人事部がこの目標に向けた1人ひとりの成長を主導しているのだ。

 実はGEの人事部は、そもそも人事権を持たない。あくまでも人事の立ち位置は、ビジネスの成長を支えるパートナーなのだ。だからこそ人事の取り組みには、全社的な事業戦略との一貫性が求められる。

 リーダーにしかリーダーは育てられないだけに、「信頼される人事になるためには、人事こそがリーダーシップを発揮しなければなりません」と谷本氏は強調する。この基本思想こそがまさに、GEにおける戦略人事の根幹となっている。

【次ページ】これから日本企業が目指すべき「戦う人事」とは

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