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- 2018/04/12 掲載
Windows 10の更新プログラム、失敗しない社内への展開方法を解説
Windows 10のリリースサイクルとサポートポリシーの詳細
Windows 10のSACリリースには、従来のメインストリームサポート(最低5年)とその後の延長サポート(最低5年)、合計最低10年のサポートは提供されません。Windows 10のSACリリースは、「モダンライフサイクルポリシー」に従い、継続的(現時点では理論上永久に)にサポートが提供されます。
リテール製品(パッケージ製品)およびOEMプリインストール製品は、追加コストなしでサポートが提供されます。サブスクリプション契約に基づいたボリュームライセンス製品(Windows 10 Enterprise E3/E5など)の場合は、契約期間中のサポートが提供されます。なお、モダンライフサイクルポリシーに対して、従来型の企業向け製品のサポートポリシーは「固定ライフサイクルポリシー」と呼ばれます。
Windows 10は、Windows Updateなどを通じて、新バージョンが「機能更新プログラム」として提供されます。新バージョンは3月頃および9月頃の年に2回のリリースサイクルで提供され、そのバージョンに対するセキュリティ更新やバグ修正、定義の更新、ドライバーの更新などが「品質更新プログラム」として毎月1回以上、そのバージョンのサポート期間中、継続的に提供されます(少なくとも第2火曜日の翌日には定例でリリースされます)。
各バージョンはリリース後、18カ月間サポートされ、それを過ぎると品質更新プログラムが提供されなくなります。そのため、18カ月のサポート期間中により新しいバージョンにアップグレードする必要があります(サポート期間が経過してもアップグレードできなくなるわけではありません)。
小規模な環境で先行展開することが重要に
「Windowsライフサイクルのファクトシート」では、これまでリリースされたWindows 10バージョンと各バージョンのサポート期限を確認できます(既にサポートが終了したものを含む)。なお、Windows 10バージョン1511、1607、1703、1709については、EnterpriseおよびEducationエディションに限り、標準の18カ月に加えて、さらに6カ月、合計24カ月のサポートが提供されるという特例措置が取られています。Windows 10 EnterpriseおよびEducationエディションには、さらに有料の延長オプションが用意されているそうです。
このEnterpriseおよびEducationエディションに対する特別な対応は、2018年2月に追加されたものです。Windows 10の導入を進める企業は、Windows 10の運用管理の経験を積むことでベストプラクティスをできるだけ早く形成し、標準の18カ月のリリースサイクルの範囲内で更新管理を行えるようにすることが重要です。
Windows 10の既定の動作のまま運用してしまうと、突然のアップグレードや問題のある品質更新プログラムなどで、ビジネスをたびたびストップさせてしまうことになりかねません。
図1に、SACとLTSC(Long Term Servicing Channel:専用端末等の利用を想定し、従来の10年のサポートポリシーが適用されるもの。第1回参照)のリリースサイクルとサポート期限を図示しました。
企業では、新しいWindows 10のバージョンがリリースされたら、小規模な環境で先行展開し、企業の標準的なハードウェアや業務アプリケーションとの互換性への影響や、Windows 10の新機能を評価した上で、許容されるリリースサイクルとサポート期間の中で計画的に全社展開することが重要です。
この図を見ると、IT担当者としては管理上の負担を考えるとLTSCを選択したいと考えるかもしれませんが、LTSCを一般的なクライアントのOSとして選択するべきでないことは前回指摘したとおりです。
【次ページ】 Windows 10の更新プログラムを「先行→全体」と計画的に展開する方法
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