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  • 2018/03/22 掲載

Windows 10の法人導入、基礎からわかる主要エディション比較やリリースサイクル

新連載:山市良のマイクロソフトEYE

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2018年の夏にリリースから3周年を迎える「Windows 10」。Windows 10は企業のクライアントPC向けOSとして、事実上、唯一のWindows製品となります。従来のWindowsと異なり、「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」と呼ばれるサービス提供形態となり、企業導入で考えるべきポイントも大きく異なっています。そこで今回はWindows 10で提供される主要エディションとその比較、サービスとしてのリリースサイクルなど、企業導入で知っておくべきポイントを解説します。

執筆:フリーライター 山市 良

執筆:フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

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Windows 10 Fall Creators Update


企業PC向けOSの選択肢、事実上、Windows 10のみに

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 これまで多くの企業が、クライアントPCのOSとしてWindowsを採用してきました。ビジネスの現場にはスマートフォンやタブレット端末など、さまざまなデバイスが利用されるようになりましたが、基幹業務システムのエンドポイントとして、あるいはオフィス業務向けの汎用的なPCのプラットフォームとして、Windowsが中心となっている状況は現在でも大きく変わらないはずです。

 マイクロソフトはビジネス向けの製品サポートして、メインストリームサポート5年と延長サポート5年の、最低でも計10年の長期サポートを提供してきました。多くの企業がこの長期サポートを前提として、システムの構築、導入、アップグレードまたはリプレースを計画的に行ってきたと思います。

 しかし、Windowsの最新バージョンであるWindows 10では、その考えを改める必要があります。Windows 10の各リリース(機能更新)は、リリース後18か月のサポートが基本であり、それまでにより新しいリリースにアップグレードする必要があるのです。

 マイクロソフトは現在、Windows 7以降のWindowsバージョンに対して製品サポートを提供していますが、Windows 7およびWindows 8.1のリテール製品およびOEMプレインストール製品の販売は2016年10月末までにすべて終了しています。

 現在、これらのバージョンを新規に導入する方法は、OEM製品やボリュームライセンス製品に許可されているダウングレード権を行使する以外にありません。

 OEM製品として取得したWindows 10 Proライセンスは、Windows 8.1 ProまたはWindows 7 Professionalにダウングレードできます。ボリュームライセンス製品の場合は、バージョンの制限なくダウングレードできます。

 しかし、ダウングレード権を行使したからといって、サポート期間が延長されるわけではありません。また、最新のプロセッサを搭載しているPCでは、Windows 7やWindows 8.1がそもそもサポートされない場合があります。

 Windows 7およびWindows 8.1のサポートは既に延長サポートフェーズに入っており、セキュリティ問題の修正やバグ修正以外の更新は提供されません。たとえば、新しい技術や規格が登場しても対応が行われることはありません。延長サポートフェーズは、Windows 7は2020年1月14日、Windows 8.1は2023年1月10日に終了します。

 このように、企業のクライアントPCのメインストリームは、製品サポートに関しても、製品の入手に関しても、完全にWindows 10になったということを前提に、今後の企業内システムを検討する必要があるのです。

15種におよぶWindows 10のエディションまとめ

 2015年7月末に初めてリリースされたWindows 10は、「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」と呼ばれるサービス提供形態で、継続的に更新され、常に最新のOS環境が提供されます。最新のOS環境とは、セキュリティ問題の修正やその他のバグ修正による品質向上に加え、新機能や新技術への対応が次々に行われるOS環境のことです。

 以前のWindowsバージョンのように、リリース時点の機能レベルで動作し続けるのとは異なります。同じWindows 10という名前でも、新しいバージョンへのアップグレードが継続的に、無料(サブスクリプション製品を除く)で提供されるのです。

 結果として、OSとしての機能や仕様が頻繁に変更されることになりますが、変わるのはOSの内部だけではありません。OSに関係するサービスの名称やサポートポリシーもまた、ユーザーからのフィードバック、技術革新や市場の変化に応じて絶え間なく変化していきます。

 既に、Windows 10が初めてリリースされた当時とは変わっている部分が多くあります。そこで、2018年3月時点の最新情報に基づいて、Windows 10について一度整理しましょう。

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図1 Windows 10の製品ラインアップ(2018年3月時点)
 図1に、現在、提供されているWindows 10のエディションをまとめました。

 非常に多くのエディションが存在し、中にはWindows 10の初期リリース時点では存在しなかったエディションもあります。

 企業のクライアントPCのOSとしては、Windows 10 ProまたはWindows 10 Enterpriseのいずれかを選択するのが一般的です。

 Windows 10 Pro for Workstationsは、Windows 10 Fall Creators Update(バージョン1709)から追加されたハイパフォーマンスコンピューティング向けのエディションであり、一般的なビジネス向けではありません。

 Windows 10 Enterprise LTSCリリースについては後述しますが、これも用途が限定される(限定するべき)エディションです。

 Windows 10 Mobile Enterpriseは、企業向け機能を充実させた、スマートフォンおよびタブレット端末向けのOSです。

【次ページ】企業にとって最適なエディションは? 主要エディションの機能比較

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