- 会員限定
- 2018/03/22 掲載
Windows 10の法人導入、基礎からわかる主要エディション比較やリリースサイクル
新連載:山市良のマイクロソフトEYE
企業PC向けOSの選択肢、事実上、Windows 10のみに
マイクロソフトはビジネス向けの製品サポートして、メインストリームサポート5年と延長サポート5年の、最低でも計10年の長期サポートを提供してきました。多くの企業がこの長期サポートを前提として、システムの構築、導入、アップグレードまたはリプレースを計画的に行ってきたと思います。
しかし、Windowsの最新バージョンであるWindows 10では、その考えを改める必要があります。Windows 10の各リリース(機能更新)は、リリース後18か月のサポートが基本であり、それまでにより新しいリリースにアップグレードする必要があるのです。
マイクロソフトは現在、Windows 7以降のWindowsバージョンに対して製品サポートを提供していますが、Windows 7およびWindows 8.1のリテール製品およびOEMプレインストール製品の販売は2016年10月末までにすべて終了しています。
現在、これらのバージョンを新規に導入する方法は、OEM製品やボリュームライセンス製品に許可されているダウングレード権を行使する以外にありません。
OEM製品として取得したWindows 10 Proライセンスは、Windows 8.1 ProまたはWindows 7 Professionalにダウングレードできます。ボリュームライセンス製品の場合は、バージョンの制限なくダウングレードできます。
しかし、ダウングレード権を行使したからといって、サポート期間が延長されるわけではありません。また、最新のプロセッサを搭載しているPCでは、Windows 7やWindows 8.1がそもそもサポートされない場合があります。
このように、企業のクライアントPCのメインストリームは、製品サポートに関しても、製品の入手に関しても、完全にWindows 10になったということを前提に、今後の企業内システムを検討する必要があるのです。
15種におよぶWindows 10のエディションまとめ
2015年7月末に初めてリリースされたWindows 10は、「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」と呼ばれるサービス提供形態で、継続的に更新され、常に最新のOS環境が提供されます。最新のOS環境とは、セキュリティ問題の修正やその他のバグ修正による品質向上に加え、新機能や新技術への対応が次々に行われるOS環境のことです。以前のWindowsバージョンのように、リリース時点の機能レベルで動作し続けるのとは異なります。同じWindows 10という名前でも、新しいバージョンへのアップグレードが継続的に、無料(サブスクリプション製品を除く)で提供されるのです。
結果として、OSとしての機能や仕様が頻繁に変更されることになりますが、変わるのはOSの内部だけではありません。OSに関係するサービスの名称やサポートポリシーもまた、ユーザーからのフィードバック、技術革新や市場の変化に応じて絶え間なく変化していきます。
既に、Windows 10が初めてリリースされた当時とは変わっている部分が多くあります。そこで、2018年3月時点の最新情報に基づいて、Windows 10について一度整理しましょう。
非常に多くのエディションが存在し、中にはWindows 10の初期リリース時点では存在しなかったエディションもあります。
企業のクライアントPCのOSとしては、Windows 10 ProまたはWindows 10 Enterpriseのいずれかを選択するのが一般的です。
Windows 10 Pro for Workstationsは、Windows 10 Fall Creators Update(バージョン1709)から追加されたハイパフォーマンスコンピューティング向けのエディションであり、一般的なビジネス向けではありません。
Windows 10 Enterprise LTSCリリースについては後述しますが、これも用途が限定される(限定するべき)エディションです。
Windows 10 Mobile Enterpriseは、企業向け機能を充実させた、スマートフォンおよびタブレット端末向けのOSです。
【次ページ】企業にとって最適なエディションは? 主要エディションの機能比較
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR