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- 2018/07/10 掲載
データ活用で「絶対に取り組まなければいけない」5つのこと
米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。
データサイエンティストの需要増大、平均給与は1,200万円
世界で扱われるデータ量は急増している。シスコシステムズの試算によると、グローバルのIPトラフィックデータ量は2016年には月間で96,054ペタバイドだったものが2018年には150,910ペタバイトとなり、2021年には278,108ペタバイトにまで急増するという。このため今後企業内にはCEO、CFOといった役職と並んでCDO (Chief Data Officer)やCRO (Chief Robotics Officer)を設置することが必至になるとも言われている。この膨大なデータを有効に利用し、事業に役立てるためにはどのような取り組みが必要になるのか。ITコンサルティング、ソフトウェアエンジニアリングなどを提供するCodiLimeが創設したAIソリューション、ディープセンスAIでは以下の5項目を挙げている。
これらを順番に紹介していく。
(1) データサイエンティスト、データアナリストの育成
それでも米国内ではデータサイエンティスト、アナリストは需要過多の状態だ。単に教育を受けただけでは企業が求める「テクニカルなスキルとデータに基づく考え方」を持つ人材は育たない。今後AI、マシンラーニングなどを社内で開発していく中で、どのように人材を確保、教育していくのかが問われる。2020年には世界中でデータサイエンティスト、アナリストの求人数が270万となるという予測もあるのだ。
米国では今年9月の新学期より、カーネギー・メロン大学でAI専攻の学部が正式に始まる。これまでAIはコンピュータサイエンス専攻のサブ部門として存在していたが、同大学では全米初となるAIを専攻とする学部を創設。1年目から非常に競争率の高い人気学部となっている。こうした優秀な学生の雇用、自社内でのデータサイエンティストのチーム編成、サポートできる体制作りが今後企業の明暗を分けると言われる。
(2) Augmented Analysis
次に注目すべきはAugmented Analysis(拡張分析)という考え方だ。従来の市場分析という作業にマシンラーニングを取り込み、データから「内部洞察」を引き出すという方法だ。これにより次のトレンドが予測しやすくなる、顧客の定着率を高める、などの効果が期待されている。しかし米国でAugmented Analysisを導入し顧客の経験向上に役立てているのはわずか14%。一方で60%の企業がAugmented Analysisは新規顧客獲得、顧客保持、顧客経験の向上に役立つと考えている。このギャップはまだまだ大きく、Augmented Analysisはこれからの成長が期待できる分野だ。
【次ページ】エッジコンピューティング、非構造化データも注目
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