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  • 2018/11/12

トヨタも参入、「シェアリングエコノミー」で新ビジネスを創出せよ

松岡功「ITキーワードの核心」:第3回

本連載では、ITトレンドから毎回ホットなキーワードを取り上げ、その最新動向とともに筆者なりのインサイト(洞察)やメッセージをお伝えしたい。第3回目に取り上げるキーワードは、モノ・サービス・場所などを、ITを活用して多くの人と共有・交換して利用する「シェアリングエコノミー」。今回のメッセージは「シェアリングエコノミーで新ビジネスを創出せよ」である。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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トヨタ自動車の豊田章男代表取締役社長
(トヨタ自動車、ソフトバンクとの協業発表会見より編集部撮影)

シェアリングサービスが生み出す新たな経済圏

「車が所有から利用にシフトしていく中で、お客さまにもっと気楽に楽しく車とおつき合いいただくための新たな提案をさせていただく」――。こう語るのは、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役社長だ。

 同社は11月1日、複数の車を手軽に乗り換えられるサブスクリプション(定額制)サービスやカーシェアリング事業を始めると発表した。豊田氏のコメントは、この発表に際して寄せられたものである。

 これらの内容については、サブスクリプションサービスカーシェアリング事業のそれぞれの発表資料を参照いただくとして、ここで強調しておきたいのは、トヨタがいよいよシェアリングサービスに参入してきたということだ。

 これを機に、今回はそうしたシェアリングサービスが生み出す新たな経済圏を意味する「シェアリングエコノミー」をテーマとして取り上げたい。

 トヨタは10月4日にも時代の転機を感じさせる発表を行った。ソフトバンクとの協業だ。日本を代表する巨大企業同士であり、自動車とITという異業種の協業というのもあって、大きな注目を集めた。

 この協業内容についても発表資料を参照いただくとして、この動きでも強調しておきたいのは、この協業の背景にもシェアリングエコノミーのうねりが見て取れるということである。

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 シェアリングエコノミーはここ数年、ライドシェア(車の相乗り)や民泊仲介をはじめとしたサービスをめぐる動きが活発化し、メディアでも話題に上ることが多くなった。そもそもシェアリングエコノミーとは何なのか。それこそ今の経済や産業にどのような影響を及ぼすのか。以下に紐解いていこう。

 まずは、シェアリングエコノミーの定義を示しておこう。総務省の「平成29年版 情報通信白書」によると、「個人等が保有する活用可能な資産等を、インターネットを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」としている。「活動可能な資産等」の中には、スキルや時間などの無形のものも含まれる。

 シェアリングエコノミーは個人や社会に対して新たな価値を提供し、経済の活性化や国民生活の利便性向上に資することが期待されるとともに、これを活用することで、遊休資産の有効活用および社会課題への寄与が期待され、国内でのシェアリングエコノミー市場の規模も拡大傾向にある。

 その市場規模については、矢野経済研究所の調査によると、2017年度で前年度比32.8%増の716億6000万円。2022年度には2016年度から年平均17.0%伸び、1386億1000万円に拡大する見通しだ。(図1)

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図1:シェアリングエコノミーサービスの国内市場規模推移と予測
(出典:矢野経済研究所 報道発表)
 ちなみに矢野経済研究所の調査では、シェアリングエコノミーサービスを「不特定多数の人々がインターネットを介して乗り物・スペース・モノ・ヒト・カネなどを共有できる場を提供するサービス」と定義している。ただし、音楽や映像のような著作物は共有物の対象にしていない。

 シェアリングエコノミーをサービスと捉えることにより、その市場規模を、サービス提供事業者のマッチング手数料や販売手数料、月会費、その他サービス収入などのサービス提供事業者による売上高ベースで算出している。

【次ページ】シェアリングエコノミーは破壊的であり革新的な動き

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