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  • 2019/02/26

ブロックチェーンは「大規模ポイント事業」でどう使われているのか

松岡功「ITキーワードの核心」:第9回

本連載では、ITトレンドから毎回ホットなキーワードを取り上げ、その最新動向とともに筆者なりのインサイト(洞察)や見解を述べたい。第9回に取り上げるキーワードは「ブロックチェーン」。第4回で一度取り上げたが、ここにきて興味深い適用事例が出てきたので、改めて紹介したい。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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ウェルちょの対象商品を前に並んだ会見の登壇者。
(左)三井物産 流通事業本部マーチャンダイジング第二部長
渡邉孝雄氏
(中左)日本IBM インダストリー・ソリューションズ事業開発
ブロックチェーン・ソリューションズ事業部長
高田充康氏
(中右)フィノバレー プロダクト開発グループ長
渡邉大翼氏
(右)三井物産 流通事業本部 マーチャンダイジング第二部
食品営業室所属 兼 グルーヴァース社長
福島大地氏

三井物産がブロックチェーンを活用したポイント事業を開始

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 興味深い適用事例というのは、三井物産が100%出資子会社のグルーヴァースを通じて始めた、健康に日々の生活を送る「ウェルネス」の推進を目的とした共通ポイント事業「ウェルネス貯金(ウェルちょ)」のことだ。2月15日から3カ月間、広島市内で実証実験を行い、年内にも全国展開したい考えだ。

 高齢化社会の進展とともに医療費低減が喫緊の課題となっている今、社会全体で健康に対する意識が高まっている。三井物産は、「ウェルちょ」と名付けた新しい事業で、消費者のウェルネスを応援する企業で構成される「ウェルネス応援隊」と、健やかな毎日を過ごしたいと思う消費者とを結ぶことを目指す。ウェルネス応援隊と消費者の架け橋となるポイントシステムとして、そうした社会ニーズに応えるという。

 ウェルネス応援隊は自社が提供する商品やサービスに「エール」というポイントを付与する。ウェルちょのモバイルアプリを通じてエールを受け取った消費者は、健康診断やマッサージなど消費者のウェルネスをケアする「ウェルネスステーション」で、そのポイントを活用することができる。

 この取り組みの仕掛け人は、三井物産 流通事業本部マーチャンダイジング第二部食品営業室所属でグルーヴァースの社長に就いた福島大地氏だ。

 福島氏は発表会見で、「ウェルちょはポイント事業だが、他のポイントとは違い、かつてのベルマークに近い。ベルマークが小中学校の環境改善をテーマとしていたように、ウェルちょは消費者の健康をテーマとしている」と説明した。

 ベルマークは一定の年齢層以上でないとなじみがないかもしれないが、小学生のころ、懸命に集めた覚えのある筆者には、この説明でウェルちょの仕組みがのみ込めた。

 ウェルちょの詳細な内容については特設サイトを参照いただくとして、このウェルちょの開発には、次の2社も重要な役割を果たしている。モバイルアプリを開発したFintech企業のフィノバレーと、ITインフラとなるクラウド基盤とブロックチェーンの技術を提供した日本IBMである。

 そこで、ここからは日本IBMインダストリー・ソリューションズ事業開発ブロックチェーン・ソリューションズ事業部長の高田充康氏が会見で語ったブロックチェーンの図解入りの説明を記していこう。

先進技術を提供したIBMが語るブロックチェーンの実情

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図1:ブロックチェーンの概要
(出典:日本IBMの資料)
 高田氏はまず、ブロックチェーンとは何かについて、図1を示しながら説明した。図の左側が従来のシステムで、右側がブロックチェーンを適用したシステムのイメージである。

 図中の説明内容はここで重ねて記さないが、全体としてのポイントはさまざまな取り引きを成立させるうえで、ブロックチェーンがいかに効率的で透明性および安全性が高いかということである。

【次ページ】ブロックチェーンはどのような用途に広がっているのか

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