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- 2018/12/26 掲載
“人事技術”の最先端「RPA」でデジタル変革へ踏み出せ
フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。
RPAの本質は“人事技術”、デジタルレイバーを活用せよ
つい最近も注目される発表があった。SAPジャパン、RPAテクノロジーズ、中堅中小企業向けにSAP ERPの導入を手掛けるアイ・ピー・エス(IPS)の3社が、RPAを活用した中堅中小企業向けERP(統合基幹業務システム)のデータ入力業務の自動化を支援するサービスを提供開始したというものだ。
新サービスは、SAPのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」、データ分析サービス「SAP Analytics Cloud」に、RPAテクノロジーズのRPAツール「BizRobo!」を組み合わせたもの。S/4HANA Cloudの業務オペレーションを自動化するために、IPSがBizRobo!を使い「受託ロボット」を開発して提供する形だ。
このサービスを活用すれば、従来は6カ月以上かかっていたS/4HANA Cloudの導入を、およそ9週間で完了できる。また、運用開始後もロボットによるデータ入力により、S/4HANA Cloud内のデータを常に最新に保つことができ、管理者も不要だという。
筆者がこの発表に注目したのは、RPAが中堅中小企業向けにクラウドERPと組み合わせた形で、これまでにも増して具体的なソリューションとして登場したという印象を持ったからだ。
この発表の詳しい内容については発表資料をご覧いただくとして、RPAテクノロジーズの大角暢之 代表取締役社長が発表会見で、RPAの基本的な考え方について興味深い図を示していたので取り上げておこう。図1がそれである。
改めて、RPAはPCでの文字入力やマウス操作など人間が行う作業を自動化するものである。人間がPCで繰り返し行う作業や、システム間連携が難しく人手で対応しているプロセスへRPAを適用することで、作業の省力化やミスの防止を図ることができる。
大角氏は図1を示しながら、「RPAの本質は“人事技術”。RPAという言葉がまだなかった頃は“デジタル人材”と呼んでいた」と説明した。それが今は、「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」と呼ばれている。
【次ページ】AIとも連携、アビームが描く「RPAの進化の過程」
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