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  • 2019/04/19 掲載

外資が寡占するクラウド基盤市場、「日の丸クラウド」が取り組むべき新施策とは

松岡功「ITキーワードの核心」:第13回

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本連載では、ITトレンドから毎回ホットなキーワードを取り上げ、その最新動向とともに筆者なりのインサイト(洞察)や見解を述べたい。第13回に取り上げるキーワードは「クラウド基盤サービス」。その市場動向と、日本のベンダーが進むべき方向や施策について考察してみたい。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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日本のクラウドベンダーが取り組むべき施策とは
(Photo/Getty Images)

国内のクラウド基盤サービス市場は2019年で4200億円に

 まずはクラウド基盤サービス市場の規模や伸長状況から見ていこう。矢野経済研究所が先頃発表した調査結果によると、2018年の国内のIaaS/PaaSを対象とした同市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比33.3%増の3200億円。「既存システムのクラウドへの移行がけん引する形で堅調に推移した」という。(図1)

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図1:クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)の国内市場規模の推移
(出典:矢野経済研究所 報道発表)

 クラウド基盤サービスの利用は、年商数百億円以下の中堅・中小企業においても一般的となり、ユーザー企業がパブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスなどのシステム環境を組み合わせて使い分けるハイブリッドクラウドの利用も増加基調にあるとしている。

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 AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などデジタルを活用して企業やビジネスに新しい価値を持たせるデジタルトランスフォーメーション(以下、デジタル変革)の基盤としてのクラウド基盤サービスの活用については、期待されたほど大きな効果を生んでおらず、2018年は総じて概念実証(Proof of Concept:PoC)が中心だったと分析した。

 しかし、2018年下期以降、デジタル変革に関する取り組みがビジネスに実装される芽が出始めており、デジタル変革はPaaSの拡充とともに、2019年にはクラウド基盤サービス市場を成長させる大きな要因の1つになると予測。

 そうしたことから、2019年の同市場は、前年比31.3%増の4200億円となり、2022年には8400億円の市場規模になると予測している。

 今後については、ユーザー企業の基幹系システムのクラウドへの移行による利用拡大も期待される。基幹系システムは未だオンプレミスの割合が高く、クラウド移行に伴う商談規模も大きい。そのため、クラウドベンダーにとっても市場開拓のポテンシャルが高いと、同社では見ている。

AWS、マイクロソフト、グーグル、IBMが上位4サービス

 では、クラウド基盤サービスの競合ベンダーによる勢力争いの状況はどうか。米調査会社のSynergy Research Groupが先頃発表した2018年第4四半期(10-12月)時点でのIaaS/PaaS/ホステッドプライベートクラウドを対象としたグローバルでの市場シェアを見てみよう。

 図2に示すように、1位はAmazon Web Services(AWS)で約35%、2位はMicrosoft Azureで約15%、3位はGoogle Cloud Platform(GCP)で約7%となり、この上位3つのサービスはいずれも前年同期に比べても伸長した。

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図2:2018年第4四半期(10-12月)時点でのIaaS/PaaS/ホステッドプライベートクラウドを対象としたグローバルでの市場シェア
(出典:Synergy Research Group報道発表)

 一方、4位にIBM Cloudがランクインしているが、前年同期からシェアを下げた。しかもIBMはホステッドプライベートクラウドが主軸で、他社とは単純に比べられないとしている。また、5位に中国のAlibaba Cloudがランクインしたことも注目されるところだ。

【次ページ】国内市場の動向は?

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Amazon DynamoDBとは何かをわかりやすく図解、どう使う?テーブル設計の方法とは

非常にわかりやすくまとまった良い記事ですが、技術的な誤りがあるので指摘させていただきます。

こちらについては恐らくDynamo論文(Dynamo: Amazon's Highly Available Key-value Store)を参考に記述されていると思われますが、Dynamo論文で説明されているDynamoと、今AWSで提供されているDynamoDBは名前を引き継いでいるだけで全く別のDBMSです。
DynamoDBはDynamoやSimpleDBS3、S3の知見をもとに開発されています。
https://www.allthingsdistributed.com/2012/01/amazon-dynamodb.html

今年公開されたDynamoDBの論文に記述がある通り、Multi-Paxosでリーダーの選出、合意形成を行う仕組みであり、leader replicaのみが書き込みを受け付けます。
(つまりパーティション単位に単一障害点が存在します)
https://assets.amazon.science/33/9d/b77f13fe49a798ece85cf3f9be6d/amazon-dynamodb-a-scalable-predictably-performant-and-fully-managed-nosql-database-service.pdf
> The replication group uses Multi-Paxos [14] for leader election and consensus. Any replica can trigger a round of the election. Once elected leader, a replica can maintain leadership as long as it periodically renews its leadership lease.
>Only the leader replica can serve write and strongly consistent read requests. Upon receiving a write request, the leader of the replication group for the key being written generates a write-ahead log record and sends it to its peer (replicas).

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