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  • 2018/10/10 掲載

ファーストリテイリングがグーグルと協業した理由 企業はAIで差別化戦略を描け

松岡功「ITキーワードの核心」:第1回 「AI」

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本連載では、ITトレンドから毎回ホットなキーワードを取り上げ、その最新動向とともに筆者なりのインサイト(洞察)やメッセージをお伝えしたい。第1回目に取り上げるキーワードは、ITトレンドで今最も注目を集めている「AI」(人工知能)。結論から申し上げると、「企業はAIで差別化戦略を描け」というのが、今回のメッセージである。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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協業を発表したファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長(右)とGoogle Cloudのダイアン・グリーンCEO

(筆者撮影)

両社の協業はAIを活用したビジネス価値の「共同開発」

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 先頃、ちょっと変わった協業の発表が行われた。「ユニクロ」などのブランドでアパレルをグローバル展開するファーストリテイリングとグーグル傘下のグーグルクラウド(Google Cloud)が、AI技術の活用を軸とした協業を行うというものだ。

 ファーストリテイリングは今、情報を中心としてさらなる顧客指向を追求する「情報製造小売業」への転身に向けた「有明プロジェクト」を推進している。

 ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長はグーグルとの協業について、「情報製造小売業の実現に向けては、世界中のデジタルパートナーと協業し、AIをはじめとした最先端のデジタルイノベーションを活用し続けることが原動力となる。グーグルとの協業は、その中の重要な取り組みの1つだ」と強調した。

 両社の協業は具体的に、世界最先端の機械学習や画像認識技術を使った商品のトレンドや具体的な需要を予測する取り組みを推進。

 顧客の声や行動情報・外部情報に実績データを加えたビッグデータを活用することで、顧客をより深く理解し、顧客が求めているものだけを作る仕組みの構築を一体となって進めていくとしている。

 この両社の協業、冒頭で「ちょっと変わった」と表現したが、なぜだかお分かりだろうか。

 これまでならユーザーとベンダーの協業は、ユーザーがベンダーから製品やサービスを購入し、使い方のサポートを受けるといった内容がほとんどだった。

 この両社の場合、ユーザーがAIを活用して創出しようとしているビジネス価値を、ベンダーとともに「共同開発」していこうという取り組みに受け取れる。筆者が「変わっている」と感じたのは、この点だ。

 柳井氏は発表会見で、こうも語った。

「自分たちと立ち位置が違う、持っている技術やノウハウが違う、国や文化が違う、そういう会社や人たちと一緒に仕事をすることでイノベーションというものが起きる。とりわけ、イノベーションには新しい技術が不可欠だ。そういう意味で、私はグーグルと一緒にイノベーションを起こせると確信している」(柳井氏)

 こうした考え方、そしてそれをやり抜こうという熱意が、今、すべての企業に求められているのではないか。柳井氏の発言を聞いて、改めてそう強く感じた。

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情報製造小売業とは

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ファーストリテイリングは店舗とECがシームレスにつながる「リアルとバーチャルの融合」を目指している

【次ページ】AIを活用する企業は26%、本格活用はまさにこれから

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