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  • 2019/09/26 掲載

高齢者を支えるAgeTech(エイジテック)が米国で話題、課題とメリットはどこに?

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ヘルスケアとテクノロジーという大きなテーマの中で、注目を浴びているのが「AgeTech(エイジテック)」と呼ばれる高齢者向けのサービスだ。高齢化社会が始まっている中、データとクラウドを用いた高齢者の見守り、健康問題に対する迅速な対応は今後ますます需要が高まる。だが、高齢者はテクノロジーを使いこなすことができるのか? 家族や医療関係者は高齢者、エイジテックとどう関われば良いのか?
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Greatcall 
ヴァイス・プレジデント
サラ・ジョーンズ氏

米国のヘルスケアコストは15年で7倍超に膨張

 高齢者向けのテクノロジーは「エイジテック」と呼ばれる。どのようにエイジテックをデザインし、どのような間違いを排除すべきなのか。この問題について、パークス・アソシエーションズ主催の「コネクテッド・ヘルス・サミット」にて基調演説を行ったのがGreatcall ヴァイス・プレジデント サラ・ジョーンズ氏だ。

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 Greatcallは高齢者向けのヘルスケア、セーフティソリューションを提供する企業で、簡単に使えるモバイルデバイス、ウェアラブル、ホームモニタリング、ヘルス・セーフティのためのアプリなどの製品を販売している。Greatcall は昨年10月、大手電化製品販売店であるベストバイに買収され、現在ベストバイの傘下でのエイジテック・サービスを展開している。

 ジョーンズ氏はまず、現在米国でヘルスケア関連の支出がGDPの18%に上っていること、そしてこれからの高齢化社会でこの数字はさらに上昇すること、それに対応し、コストを軽減させるためにはテクノロジーの効果的な利用が必要不可欠であることを強調した。

 具体的な数字としては、2035年には米国のシニア人口は7800万人。うち52%が何らかの長期的なケアを必要とする。また長期的なケアにかかる費用は2000年には総額で300億ドルだったが、2015年には2,230億ドルにまで膨らみ、この数字は今後も上昇を続けることなどが挙げられた。

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2035年の米国では、高齢者の52%が長期的ケアを必要とするという

 米AARP(全米退職者協会、高齢者のためのさまざまなサービスを行う会員制の圧力団体の1つ)によると、2010年の時点で1人の高齢者を支える介護者の数は7人だったが、2030年にはこの比率は1:4、そして2050年には1:3になるという。

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米国の介護者は2010年の時点で高齢者1人に対し7人だったが、2030年には1人に対し4人、そして2050年には1人に対し3人になる見込みだ

介護現場ではテクノロジーへの期待が高まる

 介護の中には家庭内での家事、セーフティ・セキュリティ、医師との面談などによる健康面、法律経済サービスなどの金融面、買い物など日々の暮らし、社会的なつながりの維持、家の改装、生活の質の維持など、あらゆるサポートが含まれる。

 これらのニーズに対し、現在のテクノロジーが対応できる点は多い。

 家事ではIoTによる家電の改善(冷蔵庫の中身をチェックして買い物リストを作るなどの作業)、ホームオートメーションによる対応、セーフティ面でもIoTを用いたオートロックやスマート電球、ホームモニタリングなどでの対応ができる。

 健康ではテレヘルスなどで医師が離れた場所から患者の健康面の相談に乗ることができ、買い物では食品の配達や病院へのライドシェアサービス利用、社会的なつながりではビデオチャットなどで家族と会話を楽しむこと、生活の質ではウェアラブルなどで運動量をチェックすることなどができる。

シニアとテクノロジーの相性は良い? 悪い?

 シニア世代にとって、現在のテクノロジーは使いこなすのが難しいかもしれない。ジョーンズ氏は1つの例として、祖母とコミュニケーションロボットの失敗についての話を披露した。

 あるロボティクス企業から「シニア向けのコミュニケーションができるロボットを開発しているのでモニターを行って欲しい」という依頼を受け、ジョーンズ氏は99歳になる祖母にロボットを送付した。

 ところが、まず玄関先に届けられたロボットを、祖母は自力で家の中に運び込むことができなかった。小型とはいえロボットにはそれなりの重量がある。さらにコミュニケーションを取り、その様子をモニターするためにはWi-Fiにつなぐ必要があるが、これも祖母は自力では行えなかった。そして最後に、ロボットが発する言語を、ボリュームを最大にしても祖母は聞き取ることができなかったという。

【次ページ】「高齢者向け」だからこそ必要なコミュニケーションの配慮

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