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- 2020/04/16 掲載
日本のEC市場が伸びないワケとは?物流コストの増加をどう乗り越えるか
レンタルや日用品購入など広がるEC利用の幅
近年の傾向として、EC市場で提供される商材の幅は広がりをみせている。特に目を見張るのが、サービスの多様化。楽天で新規事業を手がける山口氏は次のように語る。
「リフォームや家事代行、自動車教習所の申し込みといったことが今はECでできるようになってきています。また、介護用品のレンタルなど、買うだけでなく借りるというところもEC化が進んでいます」(山口氏)
また、スーパーのように複数の日用品を購入するニーズも高まっている。スマートショッピングが提供する価格比較サイトは、そうしたニーズに応える。
「消耗品などのすぐに補充しなければいけない商品に特化した価格比較サイトを展開しています。『価格.com』などは家電などの1商品を買うことを想定していますが、スーパーで買い物するようにカートに複数のものを入れ、送料を含めて価格比較ができるサービスです」(スマートショッピング 志賀氏)
水などの重いものや日用品の購入にECを利用するという黒田氏は、「消費者として送料はすごく気になるので、かゆいところに手が届くサービス」と感嘆。高齢化が進む中、利便性の高さからECを利用するシニア世代も増えており、ECにおける日常の買い物支援の需要はさらに高まっていくことが予想される。
グローバルに比べて日本市場が伸びない理由
「2018年の市場規模は約17兆9000で、前年比8.9%の伸びでした。一方、海外はかなり伸びていて、グローバル全体で2兆8400億ドルの市場規模。前年比で23%伸びています。日本もさらに伸びていく見込みですが、ECに対応できていない企業がまだ多いこと、シニア層が持つクレジットカード登録への抵抗感など、クリアすべきハードルがまだまだあります」(羽間氏)
「『Shopify』ですとある程度フォーマットがあるので簡単に美しいサイトを制作することができます。また、当社は売り手の業務を楽にするというところで差別化をしています。たとえば別のシステムからダウンロードしたデータをサーバーにアップロードしてから別の作業をするといったような、これまで人がやっていた複数の工程を自動化しています」(フラッグシップ 神馬氏)
こうした課題には、より意識せずに使えるテクノロジーが有効となる可能性がある。現在は事業者向けに提供されているサービスだが、スマートショッピングが提供するスマートマットもその1つと言える。
「体重計のような板状のハードウェアをインターネットに接続し、たとえばマットの上に載せた水のボトルが少なくなってきたら、それを重さで感知して自動的に発注するなど、買い物の手間をなくすサービスを提供しています。こうしたサービスが普及していけば、ECを使っていない層の利用も増えるでしょう」(林氏)
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