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  • 2020/07/27

「ホログラムテレビ会議」開発企業を直撃、Web会議の進化系となりうるか?

新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワーク・在宅勤務は今年大きく進歩した。「テレビ会議」も一気に市民権を得た印象がある。テレビ会議の進化形とも言える、ホログラムの技術を応用した「ホログラムテレビ会議」をご存知だろうか。実はすでに5月からサービス提供を開始した企業がある。オフィスと在宅のリモートワーカーを常時接続し、よりリアルに近いコミュニケーションができる技術革新だ。それはオフィスのデスクワークの範囲を超えて、幅広い業種、幅広い職種に浸透していく可能性を秘めている。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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透過ホログラムでリモートワーカーのホログラム画像をオフィス内で映せる「HoloD(ホロディ)」の提供を開始したH2L社に話を聞いた
(6月23日にソーシャルディスタンスを確保しながら取材を実施)

テレワークの導入率は大企業で97.8%

 新型コロナウイルスの感染拡大で日本でも2020年4月に「緊急事態宣言」が発令され、働く人の間で「リモートワーク」「テレワーク」「在宅勤務」は、すっかり日常的な言葉になった(注1)。5月末に緊急事態宣言が完全に解除された後も、出勤せず自宅で仕事をする在宅勤務が「新しい日常」として続いている人も多いようだ。

注1:リモートワーク、テレワークには、在宅勤務だけでなく自宅以外のサテライトオフィス、レンタルオフィスなどでの勤務も含まれる。

 通勤地獄から解放され、それほど孤独でもなく、「在宅勤務も悪くない」と思っている人もいるだろう。日本経済団体連合会(経団連)は4月、加盟企業を対象にテレワーク、在宅勤務に関するアンケート調査を実施した。ほとんどが大企業だが、導入率は97.8%に達している。

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「テレワーク・在宅勤務の導入率」と「テレワーク・在宅勤務者の全従業員に対する割合」

 全従業員に占めるテレワーク・在宅勤務者の割合は、「8割以上」が36.1%、「7割台」が16.3%で、合わせて52.4%と過半数を占める。72.7%の企業で、全社員の5割以上がテレワーク・在宅勤務しているという結果となった。

 コロナ禍でテレワーク・在宅勤務は社数、実際の勤務者数ともに、かなり拡大した。経団連は、回答企業の従業員の約3分の2(約66%)が4月の調査期間中、テレワーク・在宅勤務をしていたと推計している。



テレビ会議システムは何を使っている?

 テレワーク・在宅勤務では、会議はテレビ会議システムで行う企業がほとんどだろう。日本経済新聞社OFFICE PASS事務局がテレワークに関してマネジメント層、人事・総務担当者を対象に3月27日~4月10日に調査したアンケートレポートによると、新型コロナ対策でテレビ会議を導入して「ビデオ会議ツールを利用している」という回答は、従業員300人以上の大企業では89%、中小企業では67%だった。

 また、テレビ会議(ビデオ会議)に利用しているツールは、大企業は「Microsoft Teams」42%、「Skype」41%、「Zoom」35%、「GoogleハングアウトMeet」13%の順で、中小企業は「Zoom」54%、「Skype」46%、「Microsoft Teams」25%、「GoogleハングアウトMeet」16%の順だった。

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テレワークの際に利用しているテレビ会議ツール

 テレビ会議システムは、「Zoom飲み会」という言葉が生まれたように「Zoom」が半ばデフォルトスタンダード視されている印象もある。米国のZoom社の2~4月期の売上高は164%増で、通期では100%増と売り上げ倍増を見込んでいる。しかし、日本では大企業を中心に「Microsoft Teams」も健闘をみせている。


 だが、現状のテレビ会議がオフィスで直接会って行う会議と同等のパフォーマンスを得られるかと問えば、「ノー」と答える人も多いだろう。実際にテレビ会議に出席して、4分割、8分割、16分割の画面を見ながら意見を述べたり議論を交わしたりしたことがある人の多くは、「リアルでしか得られない価値」を認識していることだろう。

 電話と違って相手の姿は見えるものの、ディスプレイから相手の細かい表情の変化を読み取れるほど鮮明度は高くない。16分割の小さな画面なら、なおさらのこと。

 テレビ会議には「事前の準備が面倒」「会議の臨場感がない」「よそよそしい」「雰囲気的に発言しにくい」など、在宅勤務には「気軽な雑談や相談ができなくなった」「仕事の効率やスピードが落ちる」「在宅勤務者は管理しにくい」など、さまざまな声があがっている。

「ホログラム」でリアリティーを追求する

 だが、ICTの急速な進歩が近い将来、今のテレビ会議システムのそんな欠点を克服してくれる可能性は十分ある。すでに「ホログラムテレビ会議」が実用段階に達し、5月からサービス提供が始まっている。

 ホログラムは、3次元の立体映像を投影して、まるで目の前にあるような臨場感を出せる技術だ。2019年の大みそかの紅白歌合戦で、30年前に亡くなった美空ひばりさんが歌う映像を再現して、まるでステージによみがえったように見せたのが、AI(人工知能)を活用した「4K・3Dホログラム」だった。

 このホログラムを、テレワーク・在宅勤務のテレビ会議に応用したのが「ホログラムテレビ会議」である。

【次ページ】すでにサービス提供開始した「ホログラムテレビ会議」開発企業に直撃

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