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  • 2021/02/15

なぜ「Amazon」「Netflix」「コマツ」は凄いのか? 3社に共通する特徴とは

新型コロナウイルスの感染拡大により、これまでのビジネスの常識が通用しない状況になった。いまこそ、企業は自社のビジネスを冷静に見つめ直し、変革を遂げる必要があるだろう。2020年12月、現状を打開するためのヒントやノウハウを集めた『この一冊で全部わかるビジネスモデル』が上梓された。著者である早稲田大学ビジネススクールの根来龍之氏、愛知淑徳大学の富樫佳織氏、拓殖大学の足代訓史氏に経営難から脱却するためのヒントを聞いた。

執筆:井上猛雄 構成:ビジネス+IT編集部 中澤智弥

執筆:井上猛雄 構成:ビジネス+IT編集部 中澤智弥

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『この一冊で全部わかるビジネスモデル』の著者の愛知淑徳大学創造表現学部 メディアプロデュース専攻 准教授の富樫佳織氏(左)、早稲田大学ビジネススクール教授、早稲田大学IT戦略研究所 所長の根来龍之氏(中央)、拓殖大学 商学部 准教授の足代訓史氏(右)

現状打破には「ビジネスモデル分析」

──新型コロナの影響などもあり、苦境に立たされる企業が増えていますが、企業はどのようにこの厳しい状況を乗り切れば良いでしょうか。

根来龍之氏(以下、根来氏):テクノロジーの発展、さらには足元の新型コロナウイルスの感染拡大など、企業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。こうした中、企業が持続的な成長を遂げるためには、(1)「新規ビジネスの立案」、(2)「既存ビジネスの大幅な革新」が求められると考えています。そして、これらを実現するためには、ビジネスモデルの分析が欠かせません。

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早稲田大学ビジネススクール 教授
早稲田大学IT戦略研究所 所長
根来 龍之 氏

 ここで言うビジネスモデルとは、自社または他社の事業構造を表す設計図(骨組み)の部分、あるいは事業活動のパターンと考えると分かりやすいでしょう。


かんたん分析ツール「戦略モデルキャンバス」とは

──それでは、具体的にどのような方法で、ビジネスモデルを分析すれば良いのでしょうか。

根来氏:私たちは、企業のビジネスを構成する要素を1枚の表組み(≒キャンバス)に整理し分析する方法を提案しています。これは、経営学的観点から論理的に構築されたビジネスモデルの分析手法でありながら、誰でも簡単に実践できるフレームワークになっているかと思います。「分かりやすく、すぐ実践で使える点」が、ほかのビジネスモデル分析の手法とは異なる特徴です。

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実際に、「戦略モデルキャンバス」に記入しながら、自社のビジネスモデルの分析をしてみよう。(1)~(5)の順に検討していくと良い

 実際に、自社のビジネスモデルを整理・分析していく上で表組みに記入していくのは、次の5つの要素です。これらをまとめたフレームワークを「戦略モデルキャンバス」と呼びます。

(1)戦略モデル
自社のビジネスの核となる部分。ここでは、「顧客ターゲット」や「自社が顧客に提供できる価値」を記入する。

たとえば…「垂直統合モデル(サプライチェーン上の全工程を自社グルーブ内で統合する)」や「アズ・ア・サービスモデル(製品を販売するのではなく、製品利用をサービスとして提供する)」など、さまざまな戦略モデルがあるが…自社の特徴は?
(2)(3)オペレーションモデル
ビジネスを行う上で検討すべき業務プロセスの構造のこと。ここでは、自社とライバルそれぞれの「資源」と「活動」を記入する。

たとえば…「製造小売モデル(企画・製造・販売を一気通貫で手掛ける)」や「フランチャイズモデル(事業のノウハウを商品にする)」など、さまざまなオペレーションモデルがあるが…自社はどうか?
(4)収益モデル
ビジネスの収益構造のこと。ここでは、コスト構造や収益構造を記入する。

たとえば…「成果報酬モデル(成果に応じて報酬が支払われる)」や「従量課金モデル(使った分だけお金を払う)」など、さまざまな収益モデルがあるが…自社はどうか?
(5)コンテキスト
ビジネスを成り立たせる前提のこと。ここでは、自社の資源・仕組み・理念に紐づく前提と、自社を取り巻く環境などの前提を記入する。

たとえば…「クラウド化(顧客のデータに付加価値をつけて稼ぐ)」や「ブルー・オーシャン戦略(誰も創造していない価値を作る)」など、あらゆるビジネスを成立させている前提条件はあるが…自社のビジネスを成立させている前提とは何か?

ビジネスの核となる「戦略モデル」とは

根来氏:5つの要素のうち、最も重要なのが「戦略モデル」です。戦略モデルとは、「どのような顧客に、何を、どのような魅力付けをして、自社のどのような資源を生かして提供するのか」といった、ビジネスの全体的な方向性を決める要素のことです。

 なお、ビジネスの核となる戦略モデルでは、次の2点を満たしているかどうかが、企業の持続的な成長を占う上での重要なポイントになります。実際に、戦略モデルキャンバスに自社の戦略モデルを記入していく際、次の2点をクリアできているかチェックしてみると良いでしょう。

  1. (1)市場に存在する「競合品」(※1)や「代替品」(※2)との差別化を図り、消費者に評価されるような価値を提供すること
  2. (2)差別化の方法として、自社に他社とは異なる「資源」と「活動」があること

※1競合品:同じ機能を持った他社の商品・サービス(書籍の競合品は他社の書籍…など)
※2代替品:同じ顧客ニーズに応える他社の商品・サービス(書籍の代替品は、他社の動画サービス、音楽、電子書籍など、エンタメコンテンツ全般…など)

 このように、あらゆる企業のビジネスは、戦略モデルキャンバスに記入する5つの要素の組み合わせによって構成されており、その組み合わせを変えることで、(1)新しいビジネスを立案できたり、(2)既存のビジネスに革新をもたらすことができたりすると考えています。

 ここからは、より具体的に戦略モデルキャンバスの活用法をご紹介したいと思います。たとえば、戦略モデルキャンバスを使ってアマゾンの「Amazon Go」のビジネスモデルを分析すると、どのようなことが見えてくるでしょうか。

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戦略モデルキャンバスで分析したアマゾンの「Amazon Go」のビジネスモデル。次のページで詳しく解説します

【次ページ】「Amazon Go」のビジネスモデルの特徴

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