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- 2021/02/22 掲載
YouTube自身が示す注力領域、開設企業の84%が顧客拡大、今後はどう活用すべき?
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バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
2021年、YouTubeが注力する分野とは?
YouTube活用でまず重要になるのは、YouTubeがプラットフォームとしてどのように変化するのか、大局的な視点を持つことだろう。2021年1月26日に発表された、YouTubeのスーザン・ウォジスキCEOによるレター「Our 2021 Priorities」で、YouTubeが今年注力する分野が明らかにされている。
注力分野の1つは「クリエイターエコノミー」の拡大だ。
過去3年間のYouTubeによるクリエイター、アーティスト、メディア企業への累計支払い額は300億ドル(約3兆1555億円)に達した。今後、YouTubeはこのクリエイターエコノミーをさらに拡大すると表明しているのだ。
現在、YouTubeクリエイターの主な収益源は、動画の視聴回数に連動した広告収益だが、ライブ配信の投げ銭機能「スーパーチャット」の利用促進、さらにはライブ配信時にステッカーを販売できる「スーパーステッカー」機能やメンバーシップ機能の普及を目指すという。
YouTubeが各国経済に与える影響とは?
ウォジスキCEOはレターの中で、調査会社オックスフォード・エコノミクスの分析に触れ、YouTubeのクリエイターエコノミーが国の経済全体に与える影響に言及している。これは、さまざまなビジネスプレイヤーにとっても無関心ではいられない状況を浮き彫りにしている。まずクリエイター/メディア企業の収益が増える(直接的影響)と、その収益をさらなるプロダクションに投資しようという意欲が生まれ、カメラや編集ソフトウェアなど関連サプライチェーンビジネスが拡大する(間接的影響)。
また、クリエイターとサプライチェーン企業の社員による消費が増え、飲食、観光、消費財などコンシューマ市場にもポジティブな影響を与える。
オックスフォード・エコノミクスは、米国だけでも、このクリエイターエコシステムによって、年間160億ドル(約1兆6,800億円)の経済効果が生まれ、34万5000人分のフルタイム雇用につながっていると推計している。
今後、クリエイターの増加によって競争は激しくなることが見込まれるが、チャンネル/コンテンツの多様化、高クオリティ化につながることになり、より多くの視聴者が「オールドメディア」からYouTubeにシフトすることも考えられるだろう。
【次ページ】YouTubeが個客ベースの拡大に寄与した企業は84%
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