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  • 2021/03/22 掲載

Azure Stack HCIとは何か? 「謎の新OS」は何をするためのものか

山市良のマイクロソフトEYE

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マイクロソフトは2020年12月、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)向けの専用オペレーティングシステム(OS)である「Azure Stack HCI」(バージョン20H2)のGA(General Availability、正式リリース)を発表しました。Azure Stackについて聞いたことがない人にとっては全くの謎の新OSでしょう。Azure Stackのことを聞いたことがある人にとってもそうかもしれません。今回はこのAzure Stack HCIについて詳しく解説していきましょう。

フリーライター 山市 良

フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

画像
画面1:Azure Stack HCIの起動画面とログオン後のデスクトップ。バージョンは「20H2」だが、OSカーネルはWindows Server 2019(OSビルド10.0.17763)により近い


Azure Stack HCIという謎の新OS

 マイクロソフトはWindows Server 2012 R2やWindows ServerとSystem Center製品などで構成されるプライベートクラウドソリューションとして「Windows Azure Pack」を提供しています。2017年8月にはその後継となる「Microsoft Azure Stack」(以下、Azure Stack)の提供を開始しました。いずれも、OEMパートナーの検証済みのOEMハードウェアに事前に構成済みで提供されるオンプレミスのプライベートクラウド、あるいはサービスプロバイダー向けのマルチテナントクラウドソリューションです。

 Azure Stackは、HCIクラスターのOSとしてWindows Server 2016またはWindows Server 2019で構築され、Windows Serverの標準の役割を用いてHyper-V仮想化プラットフォーム、ソフトウエア定義ネットワーク(Software Defined Network、SDN)ソフトウェア定義のストレージが実現され、Azure Resource ManagerベースのAzureと一貫性のある管理機能が提供されます。

 華々しく登場したように見えるAzure Stackは、ハードウェア込みのソリューションであるため、筆者が実際に触れてみることは当時も、その後も一切ありません。そのため、筆者の知識もそのレベルでストップしていました。そんな中、昨年末に突如リリースされたように筆者には見えた「Azure Stack HCI」は謎の新OSでした。もちろん、Azure Stackの利用者やAzure Stackに関わる技術者にとっては、待望のリリースなのかもしれません。

 以下のAzure Stack HCIのWebサイトからは、無料試用版に登録することができ、Azure Stack HCIのOSソフトウェアを入手することができます。


 このOSを仮想マシン環境にインストールしてみたところ(本来であればAzure Stack HCI認定ハードウェアにインストールする必要があります)、Microsoft Azureの起動ロゴのあと、Server CoreベースのWindows Serverが起動しました。Azure Stack HCIのGA時点のバージョンは「20H2」ですが、OSビルドは「10.0.17784」です。OSカーネルは、Windows 10バージョン20H2やWindows Server, version 20H2よりも、Windows Server 2019に近く、Windows Server 2019のServer Coreをカスタマイズしたもののように見えます(画面1)。



Azure Stack HCIの基礎を3時間で学ぶ方法

 自分の知らない新しい製品やサービス、技術を学ぶには、自分のペースで体系的に学べる「Microsoft Learn」が便利です。Azure Stack HCIについては、「Azure Stack HCIの基礎」という、4モジュールからなる、標準で3時間ほどのラーニングパスで一通り学ぶことができました(画面2)。


画像
画面2:「Azure Stack HCIの基礎」でAzure Stackの知識をアップデートし、Azure Stack HCIとは何かを知る

 Azure Stack HCIという新OSの謎は、最初の「Azure Stackの基礎」ですっかり解決しました。筆者の知る、2017年8月GAのAzure Stackは、2019年11月に現在の「Azure Stack Hub」というブランドに変更され、同時に「Azure Stack HCI」と「Azure Stack Edge」の2製品の追加が発表されていたのです(画面3)。その1年後、Azure Stack HCIが正式リリースとなったわけです。


 Azure Stack Hub(以前のAzure Stack)は、オンプレミスのプライベートクラウドやサービスプロバイダーのマルチテナントクラウド向けの、最初4~16ノードの物理サーバーで事前に構築された統合システムであり、Azureのサービスのサブセット(PaaSとIaaS)をオンプレミスのインフラストラクチャあるいは外部から完全に切断された場所(工場の現場、クルーズ船、坑道など)に提供します。

 Azure Stack HubのホストOSはWindows Server 2016またはWindows Server 2019ですが、物理ハードウェアのOSレベルにアクセスすることはありませんし、ハードウェアやシステム構成のカスタマイズもできません。Azure Stack Hubのユーザーは、物理サーバーの構成やOSを意識することなく、Azure Stack Hub上にAzureと一貫性のある方法で、PaaSやIaaSにリソースをデプロイし、従量課金制の月額単価でサービスを利用することができます。

【次ページ】Azure Stack HCIは2~16台の物理サーバで構成される

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Amazon DynamoDBとは何かをわかりやすく図解、どう使う?テーブル設計の方法とは

非常にわかりやすくまとまった良い記事ですが、技術的な誤りがあるので指摘させていただきます。

こちらについては恐らくDynamo論文(Dynamo: Amazon's Highly Available Key-value Store)を参考に記述されていると思われますが、Dynamo論文で説明されているDynamoと、今AWSで提供されているDynamoDBは名前を引き継いでいるだけで全く別のDBMSです。
DynamoDBはDynamoやSimpleDBS3、S3の知見をもとに開発されています。
https://www.allthingsdistributed.com/2012/01/amazon-dynamodb.html

今年公開されたDynamoDBの論文に記述がある通り、Multi-Paxosでリーダーの選出、合意形成を行う仕組みであり、leader replicaのみが書き込みを受け付けます。
(つまりパーティション単位に単一障害点が存在します)
https://assets.amazon.science/33/9d/b77f13fe49a798ece85cf3f9be6d/amazon-dynamodb-a-scalable-predictably-performant-and-fully-managed-nosql-database-service.pdf
> The replication group uses Multi-Paxos [14] for leader election and consensus. Any replica can trigger a round of the election. Once elected leader, a replica can maintain leadership as long as it periodically renews its leadership lease.
>Only the leader replica can serve write and strongly consistent read requests. Upon receiving a write request, the leader of the replication group for the key being written generates a write-ahead log record and sends it to its peer (replicas).

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