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  • 2021/04/13 掲載

「指示待ち部下」を育てる暇はもうない、「見込みのある部下」に圧倒的成果を出させる方法

連載:部下を「育てない」マネジメント術

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部下のためにしっかりと仕事を教え、手柄を立てれば褒め、時には叱る。業種を問わず、マネージャーが良かれと思ってこれまでやってきたことである。しかし、新刊『部下を育ててはいけない』を上梓した田端信太郎さんは「これからのビジネスリーダーは、『部下を育てる』ことを目的にしたマネジメントから真逆に転換していかなければならない」と喝破する。「部下を育てず、圧倒的成果を上げるマネジメント」とはいったいどのようなものだろうか? 連載第2回では、「育てずに、部下の力を引き出すマネジメントの極意」について語ってもらった。
執筆:田端 信太郎
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ハイパフォーマーな部下限定で行える指導方法がある
(Photo/Getty Images)


指示待ち人間を育て指導する暇はない

 前回も触れたとおり、上司は「部下を育てるのは成果をあげるための手段ではあっても目的ではない」というのが大前提だ。

 リーダーに求められているのは部下を育てること以上に、成果を出すことだ。そのための「手段の1つ」に「部下を育てる」があり、どうしても育てなければならないとしたら、自分から学ぼうという意欲がある部下だけを選別して指導するほうがいいというのが田端さんの考えだ。

 「誰を育てるか部下を選別する」というと、「日本では簡単に社員をクビにすることはできない」と反論する人がいる。あるいは、「与えられた戦力で結果を出してこそ本物のリーダーである」という言い方をする人もいる。

 たしかにクビにするにはある程度の制約があるが、日本でも「部署を異動する」「転勤する」ということは当たり前に行われている。また、「与えられた戦力」はどうかというと、企業がすべての社員を自分で考えて動く人間だけで揃えられるかというと、それは不可能だ。

 当然、そこには1から10まで指示が必要な指示待ち人間もいて、そうした社員を「できるまで指導する」という手間暇ははるかに膨大だ。絶対に不可能とまでは言わないが、それくらい指示待ち型の部下を、自分で考え動くようにするのは難しい。


部下の力を引き出すためには何が必要か

 そもそも「部下を育てる」というのは、生まれたばかりの赤ん坊を育てるとか、植物を育てるのとはわけが違う。

 「育てる」というと、いろいろ気を使いながら手をかけるイメージがあるが、指示待ち型の部下ならともかく、自分で考え動くことのできる部下であれば、教えるというよりも「育つ環境」を用意して「力を引き出す」ことが大事になる。

 「力を引き出す」ためのやり方はさまざまだ。部下指導の両輪とも言える「ほめる」と「叱る」のバランスをどうとるかとか、コーチングのやり方やフィードバックのやり方など、上司ともなればさまざまなやり方を学び、組み合わせていくことが求められるが、田端さんが自らの経験を通して「これは使える」と考えているのが「挑発」だ。

 自分で考え動くことのできる部下には、あえて挑発して、カチンとさせて、持っている力を引き出すことでますますハイパフォーマーになっていくこともあるという。

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「誰を育てるか」部下を選別することも必要だ
(Photo/Getty Images)

部下をあえて挑発し、カチンとさせて、やる気を引き出す

 かつて田端さんが在籍していたリクルートのCEOが2021年に峰岸真澄さんから出木場久征さんに交代したが、峰岸さんは田端さんのかつての上司であり、出木場さんは田端さんと同年齢で、田端さん同様に1990年代に副業のようにしてネットビジネスを行っていた。

 田端さんによると当時、出木場さんは「カーセンサー」の営業を担当しており、当時、リクルートで3年くらい働いたら退社して、その経歴を生かして副業の方を本業にしようと考えていたという。

 その後、幸いにも副業の月商が1000万円近くまで伸び、上司である峰岸さんに退社の意志を伝えたところ、峰岸さんは出木場さんがネットビジネスをやると聞いてこう言い放った。

【次ページ】上司が「負け戦に援軍は送らない」と言ったワケ

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