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  • 2021/10/29

大ヒット「檸檬堂」はどうやって生まれた?開発陣が居酒屋巡りで見つけた勝ち筋

連載:図解!ヒットの理由

「アイデアは出尽くした……。これ以上、差別化なんてできるのか??」競争の激しい環境で、次の施策を考えあぐねているなら、ぜひ「檸檬堂(れもんどう)」のヒットのストーリーを参考にしていただきたい。キリン、サントリー、宝酒造といった強大なライバルたちが居並ぶ激戦市場に、日本コカ・コーラが初めて投入した缶チューハイ。同社初のアルコール飲料でもある。価格に頼らず、奇をてらうでもなく、王道を突き詰めることで、今までにないポジションを獲得。今や市場をリードする存在となっている。日本コカ・コーラ 「檸檬堂」ブランドマネジャー名郷根宗氏に取材し、ヒットまでのストーリーを聞いた。

解拓舎 代表 小越建典

解拓舎 代表 小越建典

解拓舎代表、ニュースレター「ソルバ!」主宰。ビジネス、テクノロジー、歴史、旅行など、幅広いジャンルで活動するライター/インフォグラフィックエディター。ビジュアルを交え、ストーリーを描くことで、物事をわかりやすく伝えることにこだわる。コンテンツ制作に加え、企業のマーケティング支援、オウンドメディアの企画運用、広報・PRのプランニングなども手がける。近著に「4コマで日本史: 日本をみなおす50の視点(山川出版社)」

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檸檬堂のラインアップ(2021年10月現在)

新たな金字塔を打ち立てた、檸檬堂ヒットの軌跡

 日本蒸留酒酒造組合の調査(2020年)によれば、「直近1年間でレモンサワーを飲んだことがある人」は、全体で83.0%。前年比で3.2%上昇しており、レモンサワーはまさに国民的アルコールとなっている。

 RTD(Ready To Drink。開けてすぐ飲めるお酒)にも、「氷結(キリン)」「ほろよい(サントリー)」「焼酎ハイボール(宝酒造)」といった歴史あるブランドが健在で、コンビニの冷蔵庫を開けるだけで、激戦ぶりが実感できる。そんな中で日本コカ・コーラは、初のアルコール飲料として「檸檬堂」を投入した。

 2018年5月、九州限定で先行発売すると、またたく間にレモンサワーの地域NO.1ブランドとなった。評判は日本中に広がり、2019年10月に全国販売を開始すると、翌年初には販売を一時停止するほどのヒットに。2020年のレモンサワー350ml缶でシェア1位(定番レモン)、当初の販売計画数量500万ケースを大きく上回る790万ケースを年間で売り上げた(出典:日本コカ・コーラ 決算資料)。

 さらに「檸檬堂」は、従来の缶チューハイが提案してこなかった、レモンサワーの新しい価値を発掘したヒット商品でもある。近年、街に専門店が立ち、イベントが開催されたり、関連書籍が刊行されるなど、レモンサワーの存在自体が見直されつつある。檸檬堂もその大きな流れのひとつであり、レモンサワー像の再構築に、少なからず貢献している。

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「檸檬堂」図解(1)

「おいしい」から売れるのか?

「味には絶対の自信がある」

 イベントや他媒体での発言も含め、同社の開発陣は口をそろえる。確かに、後述する「前割りレモン」製法による深い味わいは、既存のレモンサワーとは一線を画す。一口飲めば違いがわかるほど「美味しい」と言って差し支えない。

 しかし、毎日2本の缶チューハイを消費する愛好家の筆者としては、「他より美味しいから売れる」という単純な結論には異を唱えたい。方向性の違いこそあれ、他社のレモンサワーも負けずに美味しく、充分に満足させてくれる秀作がそろっているからだ。

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「檸檬堂」図解(2)

【次ページ】居酒屋巡りから学んだ「レモンサワー」が持つ意味

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