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- 2023/11/16 掲載
大林組に聞くDX、最速・最短で達成するための組織とプロセス作りとは?
デジタル組織を統合してトップダウン体制でDXにまい進する
弊社が2022年に公開した中期経営計画では、「事業基盤の強化」と「変革の実践」の実現を目指すために「建設事業の基盤の強化と深化」「技術とビジネスのイノベーション」「持続的成長のための事業ポートフォリオの拡充」という3つの基本戦略を掲げています。さらに、これらを遂行する上で重要となる「経営基盤戦略」を7つ定めていますが、そのうちの1つに「DX」を挙げています。具体的には、2022年度から2023年度にかけてデジタイゼーション(業務のIT化)とデジタライゼーション(プロセスのデジタル化)を実現した後、2024年から2026年度にかけてデジタルトランスフォーメーションによる「デジタルによる企業変革」を目指すというシナリオを描いています。
この計画の策定と遂行のミッションを与えられているのが、私が本部長を務めているDX本部という組織です。DX本部は社長直轄の組織として2022年に発足した部門で、それまで互いに独立した部門として活動してきた情報システム部門やBIM(Building Information Modeling)推進部門、BPRチームなどを統合する形で発足しました。
こうしてDXに関連する部門が1つにまとまることで、関連部門間の調整事が不要になり、スピード感をもってDXを進められる体制が整いました。経営トップによる迅速なるデジタル化の指示の下、スピード感をもってDXを進められる組織とプロセス作りに腐心してきました。
「建設事業の基盤強化」はBPRと情報基盤の変革で目指す
中期経営計画に掲げる「建設事業の基盤強化」を実現するためには、BPRによって業務プロセスを抜本的に変革するとともに、BIMの全面的な導入によって建設事業の情報基盤を強化する必要があります。これらのいわゆる「生産DX」が弊社のデジタル戦略の目指すところなのですが、一方でこれを実現するためにはバックオフィス業務のデジタル化も欠かせません。具体的には「社内データの統合・活用」「システムのスリム化」「業務の自動化・省人化」「デジタル人材の育成」という4本柱で、生産DXの取り組みを支えていく必要があります。
そして決して外すことができないのが、情報セキュリティの強化です。この部分が疎かになると、肝心の生産DXやバックオフィスDXの実現もおぼつきません。そしてこれらの取り組みは、同時並行で進めていく必要があります。そのためにDX本部の体制も、生産DXとバックオフィスDX、情報セキュリティのそれぞれの機能ごとに部署やチームを分けた組織設計となっています。
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