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- 2024/08/28 掲載
ゆうこすがガチ解説「ライブ配信市場の全体像」、配信者の収入事情は?業界の闇とは?
中編はこちら(※この記事は後編です)
急成長だけど謎だらけ… 「ライブ配信」とは何か?
──SNS上で活躍する「インフルエンサー」と、ライブ配信プラットフォーム上で活躍する「ライバー」は似ているようにも見えますが、改めて違いを説明してもらっていいでしょうか?菅本裕子(以下、ゆうこす)氏:インフルエンサーはいわゆるテレビに出演されている芸能人と同じで、多くの人に見てもらうことで人をインフルエンス(影響)する職業です。フォロワーが多ければ多いほどいいとされる職業で、ある意味トップに上り詰めることが宿命となっている世界です。影響力が大きいインフルエンサーに企業などから広告案件が入り、それらが収入になるという構造です。
それ対して、ライバーはいわゆる“投げ銭”のあるアプリ内で活躍する配信者たちを指します。私はよく、ライブ配信自体の構造を「スナック」に例えて説明しています。スナックには、お店のママさんとの会話や常連さん同士の会話を楽しむために、いろんなお客さんが集まりますよね。そのお客さんたちの中心に位置するママさんが、ライブ配信におけるライバーといったイメージですかね。
スナックみたいに、コミュニティの中で発生する親密なコミュニケーションが“投げ銭”として売上に変わる仕組みなので、ライバーは大勢の視聴者を集める必要はありません。むしろ、親密なコミュニケーションが損なわれない程度に、お客さんは多すぎない方が良いとも言えます。
YouTubeにも生配信のような形がありますが、それとも違うんですよね。YouTuberはもはや「パフォーマー」であって、生配信をしていても「1対 大勢」の構図です。だからこそ、多くの人に見てもらえてなんぼですよね。それに対してライブ配信には、ライバーを飛び越して、視聴者同士のコミュニケーションもあります。
スナックの空間をイメージして欲しいんですけど、1万人もお客さんがいるスナックだと、新しいお客さんが来た時に「いらっしゃい」と声をかけたくても、後ろの方には声は届きませんよね。お客さん同士も仲良くなれない。つまり、Youtuberと違って、ライバーはもっと小さい単位のコミュニティを回す人々なんです。
お客さん視点に立つと、ママ目的で会いに行ったようで、そのスナックの常連さんと会うのも楽しかったり、みたいなこともありますよね。「田中さん、いつもお疲れ。今日は何してたん?」といった常連さん同士の会話も楽しめるコミュニティそのものが、ライバーが提供するサービスなんです。
ライバーをはじめるというのは、言い換えると、「初期投資ゼロ円のスナックのフランチャイズ業」をはじめること、みたいなイメージになるんです(笑)。 【次ページ】月商どれだけ稼げる?ライバーに求められる才能
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