• 2025/11/02 掲載

「また売り込みか…」情報の洪水に疲れた人が、なぜかUSJには足を運んでしまうワケ(2/3)

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売り上げを倍増させたUSJのクリスマスCM

 答えは、「売り込んでいないにもかかわらず、なぜか売れている」という、一見すると矛盾した魅力を持っている点です。

 そこには派手な宣伝文句はありません。

 しかし、人々の心に静かに深く、そして確実に響く「何か」が、確かに存在しているのです。

 具体的な例を1つ、挙げてみましょう。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が毎年展開するクリスマスのCMを、もし見たことがあれば思い出してみてください。

 その数十秒の映像の中には、商品の詳細な紹介やキャンペーンの割引情報、具体的なチケットの価格などが、大きく分かりやすく打ち出されているでしょうか。

 ほとんどの場合「ノー」です。

 CMの中で丁寧に描かれているのは、家族がUSJという特別な空間で過ごす、かけがえのない時間そのもの。

 子どもたちの心の底からの純粋な笑顔があり、「今しかない、この一瞬を大切にしたい」と願う親の愛情いっぱいの物語が描かれているのです。

 もしかしたら今、「結局、それだって家族の来園を狙った企業の戦略的な広告で、売り込みの一種じゃないか」と思ったかもしれません。

 たしかに、広義で見ればそれは広告であり、販売促進活動の一部といえます。

 ですが、私たちが日常的にうんざりしている売り込みとは、アプローチの仕方が決定的に異なっているのです。

 商品のスペックや価格を声高に叫ぶのではなく、お客さま1人ひとりの人生や感情にそっと寄り添うような物語を提示している点に、その本質的な違いがあるといえます。

 「あと何回、こんなクリスマスが過ごせるかな…」や、「今しか渡せない贈り物がある」といった心に残るコピーは、直接的なセールスとは程遠い、情緒的なメッセージです。

 しかも、このCMは見る人の心にじんわりと染み渡り、理屈を超えた深い感動を与えます。

 どうして、派手なセールスコピーがあるわけでもないのに、私たちはこれほどまでに惹きつけられ、心が動かされてしまうのでしょうか。 【次ページ】「売っていないのに、売れる」マーケティングの真髄
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