- 2026/01/27 掲載
なぜ人気?「スニーカーローファー」が完売続出…ニューバランスら語る“靴の新時代”(2/3)
「ヌプシでは、初めてのシューズとして2006年に『ヌプシ ブーティー』を発売しています。ダウンのソックスに靴底を付けたような形状で、こうしたモデルはザ・ノース・フェイスが最初に作ったと認識しています。保温性・軽量性・防滑性を兼ね備えた靴として大人気シリーズとなり、街なかで履きやすいようなラインアップを増やしてきました。
そして、より都市生活にフィットするインサレーションシューズ(防寒・保温シューズ)として開発したのが、『ヌプシ ローファー』です。気温の上昇により従来のブーツを履く人が減っているなかで、新たな足元の寒さ対策を提案したいと考えました」(ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス事業本部 ザ・ノース・フェイス ハードグッズ事業部 フットウェアグループ 吉岡准史氏)
この保温性やスポーティー寄りのデザインは、他ブランドとの差別化点と言える。アッパーの素材は「リサイクルポリエステル」と「スエード」の2種類で、いずれも日常的に使いやすい色展開。ブラックはスーツとも合わせやすそうで、実際にビジネスシーンで履いている人もいるそうだ。
細部にも工夫が見られ、履き口には留め具つきの紐「ドローコード」を内蔵。これを引っ張ることで履き口が締まり、フィット感の調整と保温性の向上をかなえている。
反響は上々で、先行予約では定番人気のダウンジャケットに次いで、予約数2位にランクイン。想定数の約2倍となった。2026年1月下旬現在、オンラインストア上では完売しているサイズや種類も多くある。レディースサイズから品切れているのは、ニューバランスの1906Lとは対照的だ。
「傾向として、スエード素材は男性に、リサイクルポリエステル素材は女性に人気が高いですね。20~30代の若年層が多く購入しており、特に子育て中の女性層からは好評です。『温かい』『歩きやすい』という機能性に加え、公園などに行く際、靴紐を結ばずに着脱できる利便性も高く評価されています。レビューでは、さまざまなシーンに合うデザイン性を好む声もあります」(吉岡氏)
ナイキ一強は崩壊、熱狂落ち着きつつも“スニーカー戦国時代”
より広くシューズの業界動向を調べていくと、「スニーカーブームの収束」や「ハイブリッドシューズの台頭」といった話題が浮上した。スポーツブランドの市場シェア1位は、現在も変わらず「ナイキ」だ。しかし、近年の同社の業績は大幅減収減益で、スニーカー市場全体で限定モデルが高額で売買されるような“熱狂”が落ち着きつつあるという分析記事が複数見られる。
一方で、アディダスやアシックス、On(オン)などのブランドは軒並み好調だ。たとえば、世界シェア2位のアディダスでは、2025年第3四半期の決算において、売上高が前年同期比8%増(為替調整後)の66億3,000万ユーロ(約1兆2,300億円)に。営業利益は前期比23%増(為替調整前)の7億3,600万ユーロ(約1,400億円)に達した。
ニューバランスも、2024年12月期の世界売上高が過去最高の78億ドル(1兆2,300億円)で、4年連続で成長率20%以上を達成した。「数年以内に“100億ドルブランド”への成長が目標だ」と社長兼CEOのジョー・プレストン氏は語っている。
革靴もバレエも「スニーカー化」、混ざり合う靴が生む新市場
スニーカー市場は、ナイキ一強が崩れ、競合ブランドが市場を盛り上げているような状況だ。シューズ市場全体を見ると、革靴などスニーカー以外のシューズ市場が拡大する動きがある。そうした流れで「ハイブリッドシューズ」のトレンドが生まれたようだ。ハイブリッドシューズとは異なる種類の靴を組み合わせたもので、スニーカーローファー以外に、「バレエスニーカー」や「ローファーブーツ」などがある。プラダやミュウミュウ、ルイ・ヴィトンなどが同カテゴリーの新商品を発売し、トレンドに敏感な女性層に注目されている。
こうした流れを受けてファッション誌『VOGUE JAPAN』では、「あらゆる靴がスニーカー化している」と2024年12月の記事で指摘。ドレスコードの緩和や、曖昧になった仕事とプライベートの線引きが、大きな社会変化の兆候につながっているようだ。「あらゆるシューズをスニーカー化する動きは、これからも広がりを見せていくだろう」と締めくくられている。 【次ページ】「スニーカー化」現象は今後も拡大? 2社の見解は…
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