• 2026/05/28 掲載

売上5億円で急停止…誰も教えてくれない「拡大の谷」のコワすぎる構造と乗り越え方(3/3)

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売上10億円へ進む企業・停滞する企業を分ける3つの分岐点

 これまでの話をまとめると、売上5億円を超えてより伸ばしていく企業とそうでない企業には、大きく3つの分岐点があることになります。

 1つ目は「Who/Whatの再定義」、2つ目は「“待つ営業”から“攻める営業”への変革」、3つ目は「属人性の排除」です。

 1つ目の「Who/Whatの再定義」は前述した通り、顧客群の変化に流されるのではなく、狙って顧客群の変化を起こすことです。

 成長を続ける企業は、改めて「誰に、どのような提供価値を、どう届けるのか」を設計し直し、2nd PMFを確立しています。

 特定の業界や企業規模に焦点を当て、メッセージを翻訳し、営業手法を最適化しているのです。

 他方、受注率の変化をきっかけに顧客群の変化に気づくこともあるでしょう。

 その際はリード情報を細かく分析し、どのような顧客なども織り交ぜて、さまざまなチャネルを通じたアプローチへと変化をさせたのです。

 最後は「属人性の排除」です。

 ここでは、営業とCSの“仕組み化”が重点になります。

 前述の通り、停滞する企業の多くは、創業者やトップセールスの属人的な動きに依存しています。人数を増やしても成果が比例せず、「営業を増やしたのに数字が伸びない」という状況に陥るのです。

 逆に成長を続ける企業は、営業プロセスを標準化し、誰が担当しても一定の勝率が出せる仕組みを整えます。

 CSについても、オンボーディングやヘルススコア、アップセル・クロスセルに向けたCSの動きを、きちんとした仕組みとして回して、NRRの最大化を目指していきます。

 営業とCSが連動することで、ARRは新規だけでなく既存顧客の拡張によっても伸び続けるのです。

 一方で、仕組み化/標準化をするタイミングを誤ってはいけません。

 PMF前の段階はまだ試行錯誤をしている段階であり、早すぎる仕組み化/標準化は、かえって非効率性を生みます。そのため、幻のPMFフェーズを越え、十分に戦えることが証明されてから、仕組み化していくことが必要なのです。

 このように、拡大の谷を越えられるかどうかは「選択と集中」で決まります。

 ターゲットを絞り直す勇気、手広いチャネル展開ではなく絞る勇気、仕組み化にリソースを振り向ける決断。

 これらを実行できる企業は、売上10億円の壁を突破し、次の「キャズムの壁」へと挑戦していきます。

 逆に意思決定を先送りし、初期のやり方に固執したり、施策の乱立でリソース分散を起こしたりすると、停滞し、成長の機会を失います。売上5億~10億円のレンジは、単なる通過点ではありません。

 ここで成長の「再現性」を証明できるかどうかが、企業の未来を大きく分けます。

 拡大の谷を越えた企業は、「再定義」「見極力」「再現性」という3本柱を揃えて次に進みます。

 停滞する企業は、この3つのいずれかを欠き、足踏みを続けます。

 つまり、この分岐点で下す意思決定こそが、その後の成長ストーリーを決定づけるのです。

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