- 2026/06/01 掲載
【freeeも急成長】日本市場の特殊すぎる壁…乗り越えた企業たちの“覚悟の選択”(3/3)
売上20億円の壁を越える企業、足踏みする企業の決定的な違い
売上10億~20億円というレンジは、日本のB2Bスタートアップにとって最も厳しい壁の1つです。ここまで成長してきた企業の多くが、成長曲線の傾きが鈍化し、「このままでは天井が見えてしまうのではないか」と不安を覚えます。市場の厚みが十分でないこと、SMB依存の限界、そしてエンタープライズ進出に求められる要件の高さ。これらが複雑に絡み合い、勢いだけでは突破できない地点に差しかかるのです。
この壁を越えられる企業は限られます。しかし、突破できた企業はその後、ARR100億円規模への現実的な道筋を描けるようになります。
つまり、キャズムの壁は「成長の終わり」ではなく、「次の成長エンジンを仕込めるかどうかを試される局面」なのです。
成功した企業に共通するのは、現実を直視し、延長線上の施策に固執しなかったことでしょう。SMB市場に集中するのか、エンタープライズ市場に挑むのか。市場規模と自社の強みに応じて冷静に戦略を選び、必要な準備を先送りにしなかったのです。
非機能要件の整備やプロフェッショナルサービスへの投資は短期的には負担に見えても、長期的にはエンタープライズ攻略の基盤になります。シンボル顧客をつくることも、単なる実績づくりではなく、次なる顧客を獲得するための最大の武器になります。
逆に停滞した企業は、「まだSMBで掘れるはずだ」と自分たちに言い聞かせ、気づけば数年横ばいを続けてしまいます。PoC案件が増えても本契約に至らず、営業リソースが消耗する。パートナーセールスを形だけ導入しても、エンタープライズに適した再構築を行わなければ、案件は動かない。本来は必要な投資を避け、意思決定を先送りにした結果、売上十数億円規模で足踏みする企業は少なくありません。
皆さんの会社は、いまどの地点にいるでしょうか。すでにSMB依存の限界を感じているかもしれません。あるいは、PoC案件が積み上がっているのに本契約に進まず、リソースを浪費しているかもしれません。あるいは、導入支援体制やパートナー制度を「追って整備しよう」と後回しにしている状況かもしれません。
しかし、売上10億~20億円というフェーズでは、それらの課題を避けて通ることはできません。
ここで問われるのは、次の2つです。
第1に、自社の本丸市場をどこに定めるのか。SMBを深掘りするのか、エンタープライズに踏み込むのか。
キャズムの壁は、外部環境や市場構造がつくるものではありますが、突破できるかどうかは内部の意思決定にかかっています。冷静に市場を見極め、必要な投資を覚悟し、組織をつくり替えることができるか。ここで踏み込める企業だけが、次の成長ステージへと進むことができます。
あなたの会社は、どの市場を本丸とするかを決め、次の成長エンジンを仕込めているでしょうか。売上20億円の壁を前に、準備を後回しにしてはいないでしょうか。キャズムを越えられるかどうかは、この問いに対する答えにかかっています。
リーダーシップのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR