- 2026/06/27 掲載
「何も感じない…」必死で働いた末、心が空っぽになった内科医が立ち止まった“問い”(2/2)
「自分はできている」と思う人ほど、見落としていること
それは、メタ認知が十分でないほど、人は「自分は分かっている」「できている」と感じやすいという点です。実際、心理学ではメタ認知が低い人ほど、自分の理解や能力を過大評価しやすいことが知られています。
これは、いわゆる「分かっていないことが、分かっていない」状態です。
「自分はちゃんと考えて決めている」「感情には流されていない」「自分の強みも弱みも把握している」と感じているときほど、実際にはいつも同じパターンで判断している、無意識の恐れに強く影響されている、見たい自分像だけを見ている、ということが起きやすくなります。これが、メタ認知が最も難しい理由でもあります。
「分かったつもり」で終わらせないための3つの考え方
ステージ2に入ると、人は次のような感覚を持ちやすくなります。「自分の課題は分かった気がする」これは、成長の兆しでもあります。しかし同時に、最も注意が必要な段階でもあります。なぜなら、問いを持ち始めたこと自体が、新しい安心感になり、その安心感が問いを止めてしまうことがあるからです。
「あとは行動するだけだ」
「問いはもう整理できた」
問いを持った「感じ」、理解した「つもり」、気づいた「気分」、これらは、本当のメタ認知とよく似ています。
しかし本当のメタ認知は、むしろ次のような感覚を伴います。
「まだ分からない」では、どうすれば「できた気」を防ぎ、メタ認知を深め続けることができるのでしょうか。
「自分は、思っているほど見えていないかもしれない」
「ここに、まだ触れていない何かがある気がする」
その鍵は、メタ認知を「能力」ではなく「姿勢」として扱うことにあります。大切にするのは、次のようなスタンスです。
1.「分かった」という感覚を、もう一段上から眺める
「私は今、何を分かった“気”になっているのか?」
「この理解は、私を安心させている? それとも揺さぶっている?」
2.「問い」を「答え」ではなく「関係」として持つ
問いを解いたと思ったら、問いとの関係が終わってしまいます。
問いは、繰り返し戻ってくるものであり、状況が変わるたびに姿を変えるものです。「もう答えは出た」と思ったときこそ、問い直す余地が生まれます。
3.他者の視点を“鏡”として使う
メタ認知は、1人では限界があります。コーチ、信頼できる第三者、利害関係の薄い相手との対話は、自分では見えない前提や思い込みを映し出す鏡になります。
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