- 2026/08/18 06:40 掲載
セイコーマートはなぜ11年満足度1位?100円台油そば・駐車場で売上2倍…社長語る秘密(3/3)
なぜ、駐車場を大きくしただけで「売り上げ2倍」?
車社会の北海道ならではのセイコーマートのやり方もある。セコマが隣接地に店を移転して駐車場を広くしたところ、売上が最大で約2倍になったという。既存店の駐車場を広くするだけでそれほど売上が伸びるのか。
「場所によります。効果が出た木の花店の場合、元の店舗は駐車台数が4台しかなく、しかも狭かったんです。北海道は車社会で、特に昼の売上は外回りの営業マンや工事関係者が多い。満車で入れなかったり、狭い駐車場だと敬遠されたりすることもあります。北海道は本州より大きい車が多いですから」(赤尾社長)
他店舗の駐車可能台数のアップも着々と進めており、軒並み2~3割ほどの売上アップにつながっているという。
車で来店するお客さんが多い北海道では、駐車場が狭いだけで来店機会のロスが生まれる。売り場を広げる前に、まず店に入りやすくする。そこにも、地域の生活動線に合わせたセコマらしい店舗運営が表れている。
コンビニなのに「焼肉」まで…幻のローカル商品も揃う品数
セイコーマートの北海道店舗では2020年以降、暖かい季節の期間限定で「焼肉用牛肉・豚肉の予約販売」を行っている。「北海道では暖かい時期に、庭でバーベキューやジンギスカンをやる人が多いんです。セイコーマートはジンギスカン用の肉、野菜は常備していますが、焼肉用の牛肉・豚肉はほとんど取り扱いがありませんでした」(赤尾社長)
北海道は、都市を離れると肉を買える店が少なくなり、遠くのスーパーまで車を走らせて買いに行かなければならないこともあるという。北海道でも地域の店舗が減っていく中で、消費のエアポケットを埋めるための策なのだ。
最近のセコマの品ぞろえで特筆すべきものはほかにもある。観光地の店舗などを中心に、地域産品を扱うコーナーを設けており、その数は200軒近くに上るという。
「地域のメーカーさんの地域産品を集めたコーナーなので、ぜひその土地のおいしいものを見つけて試していただけたらと思います」(赤尾社長)
赤尾社長によると、「昔からあって北海道民ならみんな見たことあるけど、どこに売っているかわからない商品」までそろうとのこと。地元では知られているのに、買える場所が限られている。そんな“幻のローカルフード”が、セコマで見つかるかもしれない。
レシートにも宿る、セコマが地域を見つめる力
セコマの地域に密着する姿勢は、商品や店舗づくりだけではなく、買い物の最後に手渡されるレシートにもにじむ。2022年ごろからセイコーマートのレシートには、時期に合わせたメッセージや絵柄が上部に出るようになった。これにはどのような意図があったのか。
「お客さまとのコミュニケーションになると思うんですよね。店員とお客さまの会話や、お客さまのX投稿にもつながっています。システムも柔軟で、店ごとにメッセージを変えることもできます」(赤尾社長)
この取り組みが広がるきっかけになったのは、北海道を襲った大雪だったという。
「札幌でも道路が雪で埋まり、普段なら30分で行ける場所に3時間以上かかるようなことがありました。そんな中、夜通し除雪作業をされている方々がいたんです。そこで、作業されている方々に向けて、レシートに『除雪作業ありがとうございます』と表示しました」(赤尾社長)
雄大な大地が広がる一方で、地域によっては過疎化も深刻で、冬には厳しい気候にも見舞われる北海道。だが、その土地にはまだ知られていない食材や逸品があり、暮らす人たちの日常がある。
セイコーマートは、その地域の現実を読み取りながら、商品、店舗、ブランド、そして顧客との接点を一つひとつ磨いてきた。全国チェーンのような原則一律化ではなく、地域に合わせて店のあり方を変えていく。だからこそ、セコマが北海道で根強く支持される。
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