- 2026/08/19 06:10 掲載
『Bバージン』山田玲司が今明かす…師匠・江川達也に学んだ「完璧なヒットの方程式」(4/4)
心の中の“忌野清志郎”が爆発して誕生した…“ある作品”
――山田さんにとって“ナイフの部分全開”とも言える、1994年の作品『ストリッパー』についてもお伺いしたいです。山田氏:『Bバージン』は、いわゆるバブル期のチャラい話ですよね。「みんなでスキーにいこうぜ!」みたいな、大学生のノリを描いているわけです。
でも本当の僕は社会派のパンク青年だったので、そうした「バブル期のナンパな雰囲気をぶっ壊してやりたい!」みたいな気持ちもかなり強くあったんです。
そういうときに「俺の中の心の清志郎」が頭の中でささやくんですよ。「やっちまえ」ってね。『ストリッパー』には、そういう部分を落とし込んだわけです。
――3%のはずのナイフの部分を出すのが早かったんですね(笑)。
山田氏:エジプト旅行にいったときに、同行した玖保キリコさん(『いまどきのこども』など)のアシスタントが、すごいパンクな人だったんですよ。金髪で短髪のかっこいい女性で、このお姉さんと旅行中ずっと話していて。そのときすすめられたのがロンドンのパンク小説で、何もかもぶっ壊した挙句にどんどん言葉がなくなっていくという本だったんです。
それに影響されて「すべての隠蔽を剥がして何もなくなる漫画を描こう」と思って作ったのが『ストリッパー』です。
――ここまで好き勝手に描くことを、出版社も許してくれたんですね?
山田氏:当時、『Bバージン』が売れていたから「(好きなことをやるには)今しかない」って思ったんでしょうね。当時は2本連載していたけど、それぞれ隔週だから、自分のキャパ的にはもう1本はできる、そう思って、「6話分だけでいいからやらせてください!」って直談判したんです。
そうしたら、「さすがに週刊は無理だけど増刊号でだしてあげるよ」とOKをいただけたんです。180ページで、増刊号丸々『ストリッパー』ですよ(短編もいくつか入っていたけど、実質は僕のための増刊号)。もう「漫画で革命を起こしてやる!」みたいな気持ちで夢中になって描きましたね。
だが、絶頂は長くは続かない。1996年、山田氏が「日本の底が抜けた」と感じた転換点を境に、時代と漫画家たちは“闇落ち”していく。第3回は、絶望の時代と『絶望に効くクスリ』誕生の物語を聞く。
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