- 2026/08/17 12:15 掲載
スーパーのAIカート、客単価32%増と関連──買いすぎ懸念
データを取得したのは2025年3月の1カ月間で、対象はドイツの大手スーパー1店舗。1万2418回の買い物のうち、スマートカートの機能を利用したセッションは9422回、利用しなかったものは2996回だった。利用したセッションでは購入点数が25%多く、店内で過ごす時間も23%長かった。支出額の差は午後や週末に特に大きかったという。
一方、使えば使うほど支出が増えるわけではなかった。1回の買い物で画面を20回超操作した「スーパーユーザー」は、購入点数が増え、滞在時間も長くなったものの、支出額全体は増えていなかった。さらに操作回数が一定水準を超えると、支出額や購入点数が下がる傾向も確認された。買い物リストをアップロードした利用者では、支出額が高い一方、購入点数が少なく、滞在時間も短いという異なる行動もみられた。
ただ、このデータだけでは「スマートカートを使ったから支出が増えた」とは断言できない。もともと多くの商品を買う人ほどスマート機能を利用しやすかった可能性など、利用者と非利用者の違いを完全には排除できないからだ。そのため、今回の32%という数字はAIカートによる支出増の「効果」ではなく、利用の有無と支出額の間で確認された「関連」とみる必要がある。
こうしたスマートカートは実店舗への導入も進み始めている。米インスタカートと英スーパー大手モリソンズは7月28日、英プレストンの店舗にAI搭載の「Caper」スマートカートを導入した。商品をカートに入れると自動認識し、生鮮食品の重量計測にも対応。画面には購入金額の合計に加え、商品の提案やロイヤルティープログラムの特典などを表示する。
カート上のデジタル表示が購買行動に影響する可能性は別の研究でも示されている。2026年に米査読誌「ジャーナル・オブ・リテイリング」でオンライン公開された実店舗での準実験では、場所に応じてデジタルカート画面に広告を表示すると、広告対象商品の購入量と支出額が増加。さらに、同じ商品カテゴリーに属する広告対象外の商品にも購入増が波及したという。
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