- 2026/09/01 16:00 掲載
マイクロソフトが支持表明、米下院でクラウド「秘密命令」改革法案を可決
米マイクロソフトは同日、法案の下院通過を歓迎する声明を発表した。同社は、NDOの適切な利用そのものには理解を示す一方、秘密保持が必要な案件を限定し、裁判所による審査を強化する必要があるとの立場を示している。
NDOは、捜査当局がメールや文書、写真などのデータをクラウド事業者から取得する際、事業者に対してサービス利用者への通知を禁じる命令だ。捜査への重大な支障や証拠隠滅、逃亡などを防ぐ目的で利用される。
マイクロソフトが法案を支持する背景には、データの保管先が企業や個人の手元からクラウドへ移ったことで、捜査対象となった利用者がデータ取得の事実を把握しにくくなっているとの問題意識がある。同社は、物理的な捜索とクラウド上のデータ取得の間で、利用者が受けられる通知や異議申し立ての機会に差が生じていると説明している。
また、秘密命令が過度に利用されれば、クラウドサービスへの信頼を損なう可能性があるとも指摘する。マイクロソフトのブラッド・スミス副会長兼社長は、法案について顧客の権利保護とクラウドへの信頼を高めるものだとして、上院での審議も後押しする考えを示した。
マイクロソフトは以前からNDOの運用見直しを求めてきた。2016年には、期限の定めがない秘密命令などを巡って米政府を提訴。司法省はその後、2017年にNDOの利用を制限する運用方針を導入した。
米司法省監察総監室が2024年に公表した調査では、司法省が議員や議会スタッフの記録を取得した際、NDOの当初申請や更新申請では、案件固有の事情ではなく一般的・定型的な説明に依拠する例が広くみられたことも明らかになっている。
今回の法案はNDO自体を廃止するものではなく、捜査上必要な秘密保持を認めながら、利用要件や司法審査を厳格化する内容となる。法案は下院を通過した段階で、法律としては成立していない。同法案は第117議会(H.R.7072、2022年)、第118議会(H.R.3089、2023年)にも下院を全会一致で通過したが、いずれも上院で成立に至らなかった。今後は上院での審議が焦点となる。
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