最近、「このビールを1本買うと環境保護活動に1円寄付します」「環境にやさしい素材を使っています」といった広告が増えているのにお気づきだろうか。企業が営利活動を行う上で社会や環境への影響も考慮しなければならない、CSR(企業の社会的責任)に取り組まなければならない、といった風潮は、企業の根幹をなすマーケティングにおいても例外ではない。
マーケティングの歴史を紐解くと、「製品・販売志向」から「市場・顧客志向」へと変化していった、と表現されることが多い。初期のマーケティングは、自動車のT型フォードに代表されるよう、大量生産・大量販売が基本であった。より性能の良いものをより安く、大量に供給することが企業にとって最適なマーケティング手法だったのである。
しかし近年はモノが市場に行き届き、ある程度性能がよいことは当たり前になってしまった。そこで、顧客は何を求めているか、どんなものならば生活が豊かになるかといったことを企業は考え、商品を提供してきた。このようにしてマーケティングは発達してきたのである。