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  • 2014/07/16

進化する決済×マーケティング、CLO(Card Linked Offer)という新潮流

スマートデバイスの普及に伴い、決済サービスが大きく変わろうとしている。スマートフォンを利用するモバイル決済の方法が多様化する一方、海外では国際的な普及が見込まれていたNFCベースの決済サービスの利用がなかなか進まないなど、新しいサービスの普及を見通すことが難しくなっている。一方で、こうしたモバイル決済をマーケティング活動に活かそうとする「CLO(Card Linked Offer)」が国内でも本格化しつつある。今後、モバイル決済はどのような方向に進んでいくのか。野村総合研究所 上級コンサルタント 宮居雅宣氏が語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama


現在利用されているモバイル決済は4タイプ

 クレジットカードでの決済を考えた場合、決済サービスに関わる事業者は、まずVisaやMasterCardといった“国際ブランド”、次に銀行やカード会社など消費者に対してカードを発行する“イシュア(=カード発行会社)”、そして加盟店を管理する“アクワイアラ(=加盟店管理会社)”の3者が挙げられる。ただし日本においては、カード発行会社が加盟店管理会社も兼ねているケースがほとんどだ。

 この中で、現在利用されているモバイル決済は、大きく4種類に分類される。

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(出典:野村総合研究所,2014)


 1つめがモバイルネットワーク決済(図中A)で、これは通常、パソコン用のインターネットショップで消費者にカード情報を入力してもらって決済を行うネットワーク決済を、モバイル端末からもできるようにしたもので、NRIではこれをモバイルコマースと呼んでいる。

 2つめが、加盟店端末としてモバイル端末を活用する決済(図中B)で、先のモバイルコマースとは異なり、こちらは実店舗における決済手段で、スマートフォンのイヤフォンジャック部分に磁気カードリーダを装着して、カード決済を行うものだ。

 3つめが、ユーザが自分のスマートフォンにカード決済用のアプリをインストールし、近距離無線通信の国際標準であるNFC(Near Field Communication)を介して決済を行う方法(図中C)で、実際の決済に利用されるのはクレジットカードではなく、モバイル端末だ。具体例としては電子マネーで、おサイフケータイを思い浮かべれば、分かりやすいだろう。NRIでは、これをNFC決済としている。

 そして4つめが、1つめのモバイルコマースをリアル店舗でもできるようにしたものだ(図中D)。ただしこの場合、ユーザが店頭でキーボードを叩いてカード情報を入力するということではなく、店頭でスマートフォンの画面にバーコードなどを表示してもらい、それを読み取り、ネット経由でユーザを識別して、事前に登録済みの支払い方法で決済を行うというものだ。これをNRIでは、O2O決済あるいはID決済と呼んでいる。野村総合研究所(以下NRI) IT基盤イノベーション事業本部主催のITロードマップセミナー SPRING 2014にて、同社 金融ソリューション事業二部 上級コンサルタントの宮居雅宣氏は次のように語る。

「4つめの方法ではユーザのIDを利用することになるので、その属性も取得することができる。モバイル端末のGPS機能によって位置情報も把握すれば、ユーザの嗜好や場所に合わせたクーポンや特典を配信することも可能だ」

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(出典:野村総合研究所,2014)


現在では“顔パス”決済や、店から出たら自動決済してくれるサービスも登場

 次に実際に提供されているサービスとしては、たとえば2つめの、加盟店端末としてモバイル端末を活用する決済なら、PayPalが提供するPayPal Hereがある。2013年4月からは全米約700万店舗の小売店/飲食店でモバイル端末によるPayPal支払いが可能となっており、大手小売200社の店舗の約80%に導入する計画だという。日本でもサービスを提供中だ。

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(出典:野村総合研究所,2014)


 3つめで紹介したNFC決済は、磁気カードをカードリーダで読み取って決済を行う従来の方法ではなく、NFCを利用して、ユーザのモバイル端末と加盟店端末の間で非接触ICによる決済を行う方法だ。

 先にも少し触れたが、NFCは約10~15cmといった近距離での無線通信を実現する通信規格で、通信方式としては、Type-A、Type-B、Felicaが挙げられる。日本ではFelicaが先行して普及したが、現在では三井住友カードやオリコなどが、Type-A/Type-Bを採用した決済サービスを開始している。

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(出典:野村総合研究所,2014)


【次ページ】決済をマーケティングに活かす「CLO(Card) Linked Offer」とは?

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