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  • 2015/04/22

JVCケンウッド 河原春郎CEOインタビュー、自動運転に立ちはだかる技術ではない問題

自動車を取り巻く世界が急速に変化している。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)といったエコカーの開発競争に加え、グーグルなどが推し進める自動運転も注目を集めている。それと同時に、運転しやすく、事故のない車をつくるための技術開発も驚くほどの進歩を遂げている。「カーオプトロニクス」によって、これまでにない自動車の快適性や安全性向上を進めるJVCケンウッド 代表取締役会長の河原春郎氏にお話を伺った。

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JVCケンウッド
代表取締役会長 執行役員 最高経営責任者(CEO)
河原 春郎 氏

自動車のサイドミラーがなくなる!?

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──最初に、御社が提唱されている「カーオプトロニクス」とはいったい何なのかについて教えていただけますでしょうか。

河原氏:カーオプトロニクスというのは、車載用機器にオプトエレクトロニクス(光と電子、光学とエレクトロニクスを結ぶ工学のこと)技術を用いた当社独自の名称です。当社の強みであるカーナビやカーオーディオといったカーエレクトロニクスと、同じく業界を牽引してきたビデオカメラや高精細プロジェクターといったオプト(光学装置)を融合することで生まれたのがカーオプトロニクスになります。

──具体的にはどのような技術を指すのでしょうか。

河原氏:自動車というのは完全な機械から始まって、そこにコンピュータが積まれて、さらに電子制御が入ってきて、情報系の電子化と進んできました。情報系はまず、エンターテインメントの分野、オーディオから始まって、ナビやDVDなどの動画プレイヤーが入り、この頃はスマートフォンなどで外の世界とつながるようになってきました。これらは「インフォテインメント」などと呼ばれる分野です。

 そして、その後はADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタント・システム。読み方は「エーダス」)と呼ぶ運転者への支援機能の段階に入ってきています。

 ADASというのは、ドライバーが運転しやすくするために従来のミラーやメーターに代わって、死角となっていた所や暗がりでも映し出す高度な電子システムなどを指します。本格的に運転機能を電子化するためには従来のエレクトロニクスだけでなく、オプトロニクスが大変重要になるということで、カーオプトロニクスという言い方を提唱しているのです。

 具体的には人間、つまりドライバーが見る世界をオプトロニクスによって変えていきます。たとえば、フロントガラスなどを利用して、経路案内や車速・車間距離などの情報を表示するヘッドアップディスプレイや、サイドミラーやルームミラーの代わりに、車載用カメラで撮影した映像をディスプレイで表示する電子ミラーなどがあります。

──まさに光学(オプト)の分野ですね。あれこれ見なくても全部前に表示されるということですか。

河原氏:最初に導入されたのは飛行機ではないかと思います。メーターなどの計器が数多くあって、それぞれを見るのは大変です。したがって、フロントガラスのところに必要な情報がすっと浮かび上がって、視線をあちこちに動かさなくても運転できるということで安全に大きく寄与します。

 同様に、電子ミラーというのも安全性と快適性に大きく寄与します。複数の車載カメラで撮影することで、ドライバーがミラーで見るよりもはるかに死角が減りますし、人が見えないところまでカバーしてくれるからです。

 また、電子メーターと呼ばれるものもあります。通常は速度やガソリン残量など、同じものしか表示されていませんよね?そこをすべて電子化して、必要なときだけ必要な情報が見えるというような仕組みに変えることができます。ほかにも、暗視カメラで暗がりで人や動物を検知したり、標識検知や車線逸脱警告なども表示させることができるようになるのです。

 私たちはこれを、運転席の電子化という意味で「デジタルコックピット」と呼んでいます。視線を動かさなくても運転に必要な情報が前方にすっと出てくれば、ドライバーはまっすぐ前を見て、視線を頻繁にそらすことなく運転できるようになります。当社では、これらシステムをADASに「イノベーティブ」のiを付けて「i-ADAS」と呼んでいます。

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デジタルコックピットシステム
(資料提供:JVCケンウッド)


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