- 会員限定
- 2016/05/31 掲載
赤羽雄二 氏「“結果を出せる人”は、本の読み方が違っている」
本を読むと「視野が広がる」の"本当"の意味


東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。 1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。 1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。 最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。
そう考えている方もいるでしょう。しかし、それは本の「読み方」が違うのです。
社内で活躍する人は、総じて、
・視野が広い
・だからこそ、「全体観」をもって、バランス良く物事を見ることができる
という能力を持っているように思います。
本は、その「視野が広い」という力をつけてくれるものです。
「読書によって視野が大きく広がります」とは、よく言われることではありますが、その本当の意味を理解している人は多くないように思います。
本を読めば、知識を詰め込むだけではなく、それを幅広い方向から見て、吟味して、理解することができます。これができると、全体観を持ってバランスよく物事を見ることができます。
言うのは簡単ですが、これができない人が非常に多いのが実情です。同じものを見ても、視野の狭い人と広い人では、仕事においても、何かの情報にふれたときにも、問題点の把握の仕方や解決策のオプションの種類などが決定的に違ってきます。
たとえば、視野が広い人であれば、アマゾンのクラウドや人工知能への取り組み、また倉庫内のロボット活用についての記事を読んで、ジェフ・ベゾスの野望がどれほど徹底しているのか、想像することができます。アマゾンと言えば、本のネット販売が有名ですが、とっくにそれをはるかに超えた産業全体のインフラ構築をねらっており、目的達成のために着々と手を打っていることがわかります。
一方、視野が狭ければ、全体像を考えることなどできず、「アマゾンは色々なことをやっているんだなあ。本以外の事業をやってどうするんだろう。調子に乗って手を広げようとしているのかな」と、点でしか物を見られなくなります。本のネット販売、クラウド、人工知能、ロボットが、特に何か関連性や大きな意味合いを持っているようには見えないわけです。
物事の捉え方が違えば、起こっていることの本質的な意味を把握できませんので、その後の打つ手も変わってきます。
【次ページ】視野が狭い人は目先のことしか考えられない
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR