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  • 2016/08/18 掲載

ブーム沈静化?のポケモンGO、リスクは「偽アプリ」だけではない

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日本でのサービスが始まる前から、偽アプリがアプリストアのダウンロードランキングにリストされてしまうほど盛り上がったポケモンGO。ここ数週間、国内外でユーザーが熱狂する様子やそれに伴って生じるトラブルや社会問題が報じられたが、出来事および報道が一巡したのか、各国とも落ち着きをみせている様子だ。この機会に、ポケモンGOに関する様々なリスクを整理するとともに、VRアプリや位置情報サービスのリスクをおさらいしておこう。

執筆:フリーランスライター 中尾真二

執筆:フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター、エディター。アスキーの書籍編集から、オライリー・ジャパンを経て、翻訳や執筆、取材などを紙、Webを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

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ポケモンGOはもうオワコン? それでも気を付けたいセキュリティのポイント


ポケモンGOがリリースから1か月で残した記録

 ポケモンGOについて、騒ぎは一段落したとはいえ、App Storeで2位、Goolge Playで1位(ともに無料ゲームカテゴリ:原稿執筆時点)の人気を誇っている。ギネスワールドレコーズによれば、最初の1カ月で最も売り上げを集め、かつ最もダウンロードされたモバイルゲームとしてギネス記録にも認定された。

 ポケモンGOがこれだけ話題になった背景のひとつに、SNSなどのソーシャルメディアが一役買ったことは言うまでもない。ソーシャルメディアの情報伝達力、拡散力は情報の真偽・信頼性とは無関係に発揮されるので、今回もゲーム情報の拡散だけでなく、詐欺サイト、ステルスマーケティングなどの被害が発生していた。

 ソーシャルネットワークのタイムラインに「(ゲーム内通貨の)ポケコインがもらえる」「レアポケモン情報が得られる」といった投稿につられ、攻撃サイトにアクセスしアカウント情報などが漏えい被害にあうこともある。SNSのタイムラインだけでなくメールも同様に注意が必要だ。

 いずれにせよ、大事件、災害、騒動などがあった場合、攻撃者は必ず便乗してくるものと考えるべきだ。ターゲティング広告、アドテクの進歩により、ちょっとした書き込みやクリック、検索キーワードはすべてネット上で補足されており、興味の対象に関するメールや広告表示に慣れてくると、こうした便乗攻撃への警戒レベルが下がりがちだ。「STOP」「THINK」「CONNECT」という3つのステップを意識し、むやみなアクションをしないよう注意したい。

ポケモンGOのヒットから、AR/VR時代のセキュリティを考える

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 ポケモンGOについていえば、いわゆる情報セキュリティ的なリスクよりも、物理的なリスク、事故、トラブルの事例も目立った。これは、位置情報、VRなどを積極的に活用した比較的新しいタイプのアプリというのも背景にあるだろう。

 位置情報を利用した仮想現実、複合現実の市場では、現在「没入感」をひとつのマーケティングポイントすることが多い。より新しいユーザー体験を強調するためだが、当然仮想世界に没入するほど、現実との境界に注意しなければならない。ポケモンGOに集中するあまり、崖から転落した、交通事故を起こした、制限区域に入って拘束された、などのニュースを覚えているだろう。AR/VRの普及によって、情報セキュリティはこれまで以上に現実世界とのかかわりや影響を考える必要がでてくるようだ。

便乗メールや攻撃サイト、偽アプリ対応が基本対策

 以上は、どちらかというと利用者目線のリスクや注意ポイントだ。組織や企業にとっても、社会現象になるほど話題のアプリやサービスとなると「ゲームだから」と静観できない側面もでてくる。

 民間企業においては、勤務時間中のプレーを禁止するところもあるようだが、支給端末ならプロファイル設定、MDMで対応すればいいだろう。支給端末か私物かを問わず、企業での注意ポイントは、便乗メールや攻撃サイト、偽アプリへの対策を基本とすべきだ。

 これを好機ととらえ、「ポケモンの聖地」として観光客誘致をねらった鳥取砂丘や、ポケモンを誘導するルアーモジュールを集客に利用した大阪の商店街の事例も話題となった。ただし、利用規約上、アイテムやポケモンの換金、販売は禁止されている(プレーヤーどうしの非営利目的の交換は可能)。また、運営会社が認めていないゲーム支援ツール・アプリは規制の対象となる。

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ポケモンGOポータルサイトを開設、鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区宣言を出す鳥取県

 先の商店街の事例では、目的は集客であって解釈によっては営利活動という見方が成立する可能性がある。しかし、「いくら以上お買い上げにつきアイテムプレゼント」というような販促に直接使っているわけではなく、外形的には店主が自前で購入した課金アイテムを行使しているだけなので黙認されているようだ。

 いずれにせよ、利用規約は運営側によって任意のタイミングで変更や改変が行われるものだ。ビジネス利用の場合、利用規約のチェックや運営会社・管理会社(The Pokemon Company Inc.またはThe Pokemon Company Inernational)との調整、交渉が欠かせない。

【次ページ】ポケストップがテロのターゲットになる可能性

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