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  • 2018/05/28

一帯一路とは何か? わかりやすく中国の経済構想を解説する

中国が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路(英語表記:Belt and Road または One Belt One Road Initiative(B&R))」。2017年12月には日本政府も民間経済協力のガイドラインを策定したが、英国やオランダの一部企業はすでに中国企業と具体的な連携や投資を開始している。そもそもどんな国が、中国が主導するこのプログラムに参加する意向を示しているのか。また、日本企業にはどのようなビジネスチャンスがあり、さらにメリットがあるのか。PwC 中国パートナー 一帯一路リーダー コーポレートファイナンスリーダー 黄耀和氏が解説した。

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現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」にどう対応すべきか
(© dinozzaver - Fotolia)

一帯一路とは何か?

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 そもそも一帯一路とは何か。「一帯」とは、中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパへと続く「シルクロード経済ベルト」を指す。また、「一路」とは中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」を指す。

 一帯一路とは、今後、数十年かけて、これらの地域に道路や港湾、発電所、パイプライン、通信設備などインフラ投資を皮切りとして、金融、製造、電子商取引、貿易、テクノロジーなど各種アウトバウンド投資を積極的に進め、当該経済圏における産業活性化および高度化を図っていくプログラムのことである。英語では、Belt and Road または One Belt One Road Initiativeと記載されるため、B&Rなどと略されることもある。

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PwC 中国パートナー 一帯一路リーダー コーポレートファイナンスリーダー 黄耀和氏
 PwC 中国パートナー 一帯一路リーダー コーポレートファイナンスリーダー 黄耀和氏によると、その名と違って、実際にはシルクロード経済ベルトには新ユーラシア・ランドブリッジとよばれるロシアを経由するルート、中国から陸路で東南アジアを経由してパキスタンへ至るルート、中国から海路でインドシナ半島へ至るルートなど複数のルートが構想されているのだという。

 つまり、一帯一路は、全体では複数の「経済回廊」から構成される複雑かつ多元的なプログラムなのである。

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一帯一路が構想する5つの重要ルート

 これを踏まえて中国の各都市も、たとえば重慶は戦略ハブ、西安はシルクロード経済ベルトの中心ポイントなどといったように、それぞれ役割を担うに至っているという。

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それぞれの年の役割と経済発展

なぜドイツやオランダ、シンガポールなどが参加?

 2013年にスタートしたこの一帯一路構想に、中国政府は近年ますます力を傾けている。たとえば2016年には中国共産党 第13次5カ年計画で採択され、2017年には国際協力を意図した第一回B&R(一帯一路)フォーラムが開催された。

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年を追うごとに重みを増し続ける一帯一路構想

 こうした中国の動きに世界各国の反応はどうなのか。黄氏は「欧州を始めとする世界各国からもポジティブな反響が寄せられている」と指摘する。

 たとえば、一帯一路構想に参加する国としては、333億米ドルの財政支援を行うと約束した英国、一帯一路の共同建設に参加する準備を整えているオランダなどが挙げられる。ドイツやシンガポール、ポーランド、タイといった国々も連携や投資を表明している国だ。

 また特に重要な地域としては東南アジア(ASEAN)と中欧、東欧(CEE)が挙げられるだろう。中国との貿易額や資本関係、人口流動から換算した中国連携指標によれば、すでにその上位にASEANやCEE内の国がランクインしているという。

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一帯一路で存在感増す東南アジア諸国および中欧、東欧諸国

 一帯一路は中国が始めた広域経済構想ではあるが、経済や機会の共有が目的であり、世界にとってよいものであるべきだという考えが中心にある。「それを中国がリードしているだけのことで、言語やインフラなど既存の中国文化を押し付けようというものではない」(黄氏)ということも各国の前向きな動きにつながっていると言えそうだ。

【次ページ】一帯一路構想がビジネスにつながる業界・事例

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