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  • 2018/05/30 掲載

建設業界のロボット活用、清水建設や大成建設ら7社は人手不足にどう対応するのか?

森山和道の「ロボット」基礎講座

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人手不足が問題となっていない業界はもはや存在しない。人は貴重だ。仕事をきちんと切り分け、機械化・自動化が可能な部分は機械に任せてしまい、人は人にしかできない部分をやるようにしないと、声高に叫ばれている生産性改善どころか、現場が回らなくなっている。一般社団法人日本建設業連合会(日建連)によると、高年齢層の離職によって2025年には建設技能労働者が約128万人程度不足するため、生産性の向上と、女性や若者など新規入職者の確保が必須とされている。深刻な状況を背景として建築業界でもロボットを活用するための具体的な取り組みが活発になってきた。2018年5月末現在で、各社でどんな取り組みが進められているのか、ざっくりまとめておこう。もはや課題は技術より、活用・導入のための決意の部分にあると考えるべきだ。建設業界に関係ある人もない人も、時代の変化を感じてほしい。
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大和ハウス工業の、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせた「耐火被覆吹付ロボット」。ロックウール・モルタル吹付作業を行う
(出典:大和ハウス工業 報道発表)


清水建設:人と自律型ロボットがコラボして工事

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 まず、この分野でもっともわかりやすいのが清水建設による取り組みだ。同社は2018年4月に10億円超を投じて開発した資材搬送を行う「Robo-Carrier」、鉄骨柱溶接ロボット「Robo-Welder」、天井ボード貼りや床材を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy」の3種類のロボットを公開した

 「Robo-Carrier」はレーザーセンサーを使ってリアルタイムに空間形状を認識、障害物を回避しながら、資材を無人で指定場所まで運ぶことができる。Robo-Welderは2台一対で稼働する6軸ロボットで、鉄骨を溶接する。Robo-Buddyは6軸アームを二つ搭載したロボットで、片方で天井部材を持ち上げて、もう片方でビス留めするといった協調作業ができる。

 これらのロボットは2018年秋から大阪市内で施工中のビルに適用され、2019年度からは東京都内で本格的に使われるという。

 清水建設ではこのような「自律型ロボットと人がコラボしながら工事を進める」次世代型生産システムを「Shimz Smart Site(シミズ スマート サイト)」と名付けて2017年に発表している

 水平スライドクレーン「Exter」や3種類のロボットを組み合わせて現場に適用した場合、清水建設では「30階建て、基準床面積3,000㎡クラスのビルに適用した場合の省人化の効果(削減率)は、揚重・搬送作業で75%、2,500人、天井・床施工で75%、2,100人、柱溶接作業で70%、1,150人、計6,000人近くになる」と試算している。

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Shimz Smart Siteのイメージ
(出典:清水建設 報道発表)

 なお道路工事用だが、清水建設はアクティブリンク、エスシー・マシーナリと共同で、重量鉄筋を運ぶために配筋アシストロボットも2016年に開発して発表している。200kgの重さを感じずに滑らかに動かすことができるという。



 また、清水建設はエレベーターシャフト内部にアスベストが飛散しないように封止材を吹き付ける「SHAF-BOT(シャフボット)」も2012年に開発して発表している。エレベーターを更新するときなどに実施する必要があるアスベスト対策工事に用いる。エレベーターのカゴの上に設置して用いることができる90kg程度のロボットで、アスベストを除去するのではなく、封止材を吹き付けることでコストが安くすむ。

 このほか、2015年には外壁タイルをこすって、その音を使って劣化診断する「Wall Dr.(ウォールドクター)」も開発している。既存の建築物の維持メンテナンスにもロボット技術が必要とされている。

大成建設:自動鉄筋結束ロボットを千葉工大と開発

 大成建設は千葉工大と共同で自動鉄筋結束ロボット「T-iROBO Revar(ティーアイロボ・リバー)」を開発したと2017年10月に発表した

 鉄筋上を自律移動しながら交差する鉄筋を針金でとめる作業を繰り返し行うロボットで、鉄筋工事のうち2割を占める鉄筋結束作業を自動化できる。ロボットで作業させているあいだに、人がほかの作業を行うような運用イメージだ。

 大成建設はこのほかにも、コンクリート床仕上げロボット『T-iROBO Slab Finisher』、現場溶接自動化工法『T-iROBO Welding』、自律型清掃ロボット『T-iROBO Cleaner』、臨場型遠隔映像システム『T-iROBO Remote Viewer』など各種ロボット技術を開発して、現場投入を進めている。



鹿島建設:溶接ロボット適用、オペレーターの養成も

 鹿島建設も2017年1月には「汎用可搬型溶接ロボット」を現場に適用し始めているとのリリースを出している。MHIソリューションテクノロジーズ社製のロボットを使い、品質を確保しながら、現場の複雑な要求に耐えうる技術を開発。

 ロボットを扱う人材についても、グループ会社の鹿島クレスでロボットオペレーターを養成しているという。

大林組:ひび割れ自動検出手法を確立

 建設した後の建物のメンテナンスも重要だ。大林組は、富士フイルムによる社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を用いて、AIによる画像解析技術を利用したコンクリートのひび割れ自動検出手法を確立したと2018年4月に発表している

 高い精度でひび割れの幅と長さを自動検出し、最大で50m程度離れた場所から撮影した場合でも0.1mmのひび割れを検出できる。

【次ページ】大和ハウス工業、積水ハウスのロボット/アシストスーツ構想は?

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